先日の記事「SAP LVM 2.0 初期設定」ではSAP LVMにログインするところまでを紹介しました。
ここでは、SAP LVMからSAPインスタンスを管理したり、システムコピーの自動化をするために必要な
ランドスケープ構成の設定について、まずはインフラストラクチャ周りの設定を紹介します。
SAP LVM 1.0のときからなのですが日本語訳がちょっと微妙です。
英語だとConfigurationとSettingなので構成と設定が正しい気がしますが、日本語だとどちらも設定です。
右側の「設定」からまずは「エンジン」の設定などを修正しておきます。
要件次第ですが、各SAP管理ユーザーのパスワードを同じにはしないと思いますので「借用証明書の個別許可」や、
リソースを共有するために「同一ホストでの複数インスタンスの許可」などにチェックを入れておきます。
続いてインフラストラクチャを構成します。ネットワーク、仮想化マネージャ、ストレージマネージャを定義します。
「インフラストラクチャ」=>「ネットワークコンポーネント」と辿ります。
ここではネットワークセグメント、LDAP、DNS、各システムのインターフェースの割り当てなどを行います。
ウィザードに従って項目を入力するだけなのですが、ひとつひとつ説明すると長くなるのでサマリー部分を紹介します。
「ネットワーク」では、使用するネットワークセグメントやDNSゾーンなどを定義します。
逆引きDNSゾーンはHelpの例が間違っているので注意してください。一般的にはXX.XX.in-addr.arpaになります。
ここが正しく設定されていないとシステムクローンの名前解決のフェーズで失敗してエラーになります。
IP範囲更新というのは、システムクローン処理中にIPを一時的に動的に割り当てるのですが、その範囲を指定します。
「ユーザ管理」ではLDAPかNISを定義します。
システムクローン時のユーザー管理先システムを登録します。Active Directoryはここでの選択項目には存在しません。
Windows環境の場合はSAPinstがSAP管理ユーザーをドメインに追加してくれるため不要となっています。
以下はLDAPの例です。LDAPサーバーの管理情報を登録しておきます。
「ネームサーバ」を定義します。DNS、LDAP、NISを登録できます。
システムクローン時のホスト名管理先を登録します。以下は例としてWindows DNSを登録しています。
DNSサーバーにはSAP Host Agentの導入が必要です。SAP Host Agent経由のOSコマンドでDNSサーバーを制御します。
ネットワークコンポーネントの最後では「割当」を定義します。
ここでは対象OSごとに使用するこれまで登録した「ネットワーク」、「ユーザ管理」、「ネームサーバ」を割り当てます。
続いて「仮想化マネージャ」を定義します。仮想マシンの管理、VM basedのシステムクローン時の連携先を登録します。
SAP LVM 1.0と異なりAWSとVMware vCloud Directerが追加されています!SCVMMとRHEVはないですね。
ここでは例としてVMware vCenter Serverを登録しています。ログイン情報を入力するだけです。
この設定が完了すると「作業」=>「仮想化」から仮想マシンを一元管理できるようになります。
仮想マシンの起動、停止やサスペンド、vMotionなんかもここから操作可能です。
続いて「ストレージマネージャ」を定義します。Storage basedのシステムクローン時の連携先を登録します。
SAP LVM 1.0と変わっていません。製品名称が変わっているような気もしますが... まだ日立ストレージはないですね。
今回は富士通ETERNUS NR1000 F2040を使っているので、NetApp Storage Service Connector 2.1を登録しています。
きちんとSAP LVMから連携が取れ、ストレージの製品情報と空き容量が見えています。クラスタモデルなので2台です。
最後に「システムとASのプロビジョニングの設定」を定義します。
システムコピーとダイアロングインスタンスのインストール、アンインストールで使用するSAPメディアを登録します。
システムコピーをするには対象OSごとにSAP System Rename toolが格納されたディレクトリパスを登録しておきます。