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無料トライアルで体験する SAP Signavio Process Manager でのビジネスプロセス管理 #3
これまで、「無料トライアルで体験するSAP Signavio Process Manager でのビジネスプロセス管理」シリーズでは、以下を紹介してきました。
- 無料トライアルで体験する SAP Signavio Process Manager でのビジネスプロセス管理 #1
無料トライアルの申請から簡単なプロセスダイアグラムを作成・公開するまでの手順について - 無料トライアルで体験する SAP Signavio Process Manager でのビジネスプロセス管理 #2
SAP Signavio Process Manager でのプロセス管理を効率化するための機能の一つである辞書の活用方法について
第3回目となる本ブログでは、作成したプロセスダイアグラムおよびその付加情報を、より効果的に照会させるための機能について紹介致します。
無料トライアル環境にサンプルとして登録されているプロセスダイアグラム 【Procurement of Work Equipment】を使用します。
SAP Signavio Process Collaboration Hub
このプロセスダイアグラムは非常にシンプルですが、ダイアグラムがより複雑になったり、別のITシステムやデータオブジェクト(「請求書」など)がさらにダイアグラム上に追加される場合、画面が情報過多になり、プロセスフローが見辛くになってしまことが懸念されます。
これを解決するために、ビュー を利用します。
ビュー
ビュー は、プロセスダイアグラムの照会要件に応じて、見せたいもの・見る必要の無いものを事前設定したものです。
要件に応じて複数作成することが可能です。
使用例:
- プロセスダイアグラムには、利用するITシステムや、作成される書類についてのオブジェクトが複数含まれているが、ユーザアクティビティ(タスク)のみに集中して業務の流れを確認したい
(→ 今回はこちらの例を扱います) - プロセスダイアグラムには、1 つのプロセスのさまざまなバリアントが含まれているが、 1 つのバリアントのみを表示したい
- プロセスダイアグラムには、いくつかの例外処理に関するタスクが含まれているが、それらを照会する必要はない
それでは ビュー を作成してみましょう。
SAP Signavio Process Manager にて、【Procurement of Work Equipment】(共有文書 > Process Examples > Support Process > Level3&4: Employee Recruitment 内)を選択し、Process Editor を開きます。
Process Editor 画面 右側の、属性/ビュー をクリックすると、属性の下に ビュー が表示されます。
新規ビューを作成 をクリックします。
SAP Signavio Process Manager
ビューの設定 画面が開きます。
ここでは、ITシステムや請求書などを表示しないビューを作成してみます。
ビューの 名前 を、「タスクのみ表示」とし、説明 に、「タスクのみ表示し、ITシステムなどのデータオブジェクトを表示しない」と記載します。
データオブジェクト と ITシステム の チェックボックス を オフ にします。これにて、一括で該当要素を非表示に設定することが出来ます。
各要素ごとに表示/非表示を設定したい場合は、元のビュー(左側の画面)にて、各要素のチェックボックス を オフ にすることで設定可能です。
プロセスを保存し、SAP Signavio Process Collaboration Hubで公開します。
作成した ビュー を確認してみましょう。
SAP Signavio Process Collaboration Hub から、【Procurement of Work Equipment】を照会します。ビュー設定前から画面を開いたままの場合は、ブラウザリフレッシュにて再読み込みさせて下さい。
SAP Signavio Process Collaboration Hub
SAP Signavio Process Collaboration Hub
このように、用途に合わせて要素の表示/非表示を設定し ビュー として保存しておくことで、プロセスダイアグラムが煩雑になりすぎることを避け、可読性を保持することが可能です。
プロセスの効率化を検討する上で、各タスクの実行にかかるコストや時間を考慮することは非常に重要です。
SAP Signavio Process Manager では、このような情報を属性情報として各タスクに保持させ、シミュレーション機能 や レポート機能 を利用して分析することが出来ます。
一方、プロセスダイアグラム照会画面からこれらの情報を参照するには、各タスクをクリックしその属性情報を都度表示させる必要があり、少し手間がかかります。そこで、属性に入力した情報をダイアグラム上に表示させる機能である、オーバレイ を利用します。
オーバーレイ
オーバーレイ は、属性情報をダイアグラム上に直接表示させることが出来る機能です。オーバーレイ では、さまざまなアイコンと色を使用できます。
それでは、オーバーレイ を実際に作成してみましょう。
– 「実行コスト」の追加 –
- 新規レイヤーを追加 をクリックします。
- 名前 列に「実行コスト」を入力します。
- ルール 列の ルールを定義 をクリックし、新規ルールを追加 をクリックします。
- 色 列にて、「赤色」を選択し、プロパティ 列にて 「実行コスト」を選択、関係 列では「>=」を選択、値 列には「3」を入力します。
- さらに 新規ルールを追加 をクリックし、行を追加します。
- 色 列にて、「黄色」を選択し、プロパティ 列にて 「実行コスト」を選択、関係 列では「>」を選択、値 列には「0」を入力します。
- 可視化 列にて、「金融アイコン」を選択します。
- 詳細を表示 列のチェックボックスをチェックします。
– 「実行時間」の追加 –
- 新規レイヤーを追加 をクリックします。
- 名前 列に「実行時間」を入力します。
- ルール 列の ルールを定義 をクリックし、新規ルールを追加 をクリックします。
- 色 列にて、「橙色」を選択し、プロパティ 列にて 「実行時間(分)」を選択、関係 列では「>」を選択、値 列には「5」を入力します。
- さらに 新規ルールを追加 をクリックし、行を追加します。
- 色 列にて、「黄緑色」を選択し、プロパティ 列にて 「実行時間(分)」を選択、関係 列では「>」を選択、値 列には「0」を入力します。
- 可視化 列にて、「時計アイコン」を選択します。
- 詳細を表示 列のチェックボックスをチェックします。
入力が終了したら、閉じる ボタンをクリックします。
作成したオーバーレイがどのように動作するかを確認してみましょう。
SAP Signavio Process Collaboration Hub から、【Procurement of Work Equipment】プロセスを照会します。オーバーレイ設定前から画面を開いたままの場合は、ブラウザリフレッシュにて再読み込みさせて下さい。
SAP Signavio Process Collaboration Hub
SAP Signavio Process Collaboration Hub
オーバーレイの設定にて、実行コストが 3 EUR 以上の場合は赤色で、それ未満の場合は黄色で表示されるように設定したため、実行コストが高いタスクを視覚的にも認識しやすくなっていることが分かります。また、実行時間についても、5分より長くかかる場合は橙色で、それ以下の場合は黄緑色で表示されています。
このように、オーバーレイを利用することで、各要素の属性を、要件に合わせたしきい値で色別した上で、プロセスダイアグラム上に表示させることが出来ます。これにより、プロセスダイアグラムにおいてどの処理が高コスト・高負荷なのかを、視覚的に把握・分析することが可能になります。
※ Process Editor からも、ツールバー から オーバーレイ アイコンをクリックすることで表示可能です。
まとめ
「無料トライアルで体験するSAP Signavio Process Manager でのビジネスプロセス管理」シリーズ 第3回目となる本ブログでは、作成したダイアグラムを照会する際の工夫について紹介致しました。
本シリーズでは、「無料トライアルを申請しても何から手を付けたらいいのか分からない」という声にお応えするために、ごく初歩的な機能や使用方法についてご紹介してきました。
すべて無料トライアル環境で実装・動作確認が可能な内容になりますので、是非実際に操作頂き、機能についての理解を深め、御社でのビジネスプロセス管理にどのように活かすことが出来るかを検討頂ければと存じます。
また、実際にツールを触ってみることで、「こういう場合はどうするのだろう」「このような要件には対応できるのか」など、より詳細な機能の設定方法や、具体的な使用方法についての疑問が出てくるかと思います。
SAP Signavio Process Transformation Suite の各ソリューション、機能については、SAP Signavio ドキュメント に、詳細な説明が用意されておりますので、こちらを併せて確認頂き、さらに理解を深めて頂ければ幸いです。