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Personal Insights
Author's profile photo Mino Kato

Free Tier の始めかた(あるいは、しくじりかた)

はじめに

(※この記事は SAP Advent Calendar 2021 の12月3日分の記事として執筆しています)

TechEdで「個人向けの利用もできるようになったよ」とアナウンスされた BTP の Free Tier モデル。

では試してみようかな、とやり始めたのですが、適当にやりすぎて早速しくじったので、学びを共有します。

始めかた

こちらのブログに個人向けサインアップ手順の説明動画があります。

手順は下記の3ステップです。

  1. SAP Store で個人アカウントを作成
  2. Store からBTPの本番用グローバルアカウントを作成(Pay-As-You-Go for BTP)
  3. 環境にログインし、サブアカウントを作り、必要な権限を追加する

また、チュートリアルも用意されています。

1. SAP Store で個人アカウントを作成

個人利用のFree Tierにするためには、会社のメールアドレスではなく、プライベートのアドレスを使ってね、とのことでした。

ただ、現時点では日本からは個人利用でのサインアップはできないようで、次のステップで止まってしまいます。

私はえいやと会社のメールアドレスで先に進みました。

2. Store からBTPの本番用グローバルアカウントを作成(Pay-As-You-Go for BTP)

SAP Store で Business Technology Platform を検索するとここにたどり着きます。

Start Now ボタンが初期表示されていればそこをクリック、View Pricing ボタンの時はそれをクリックし、下にスクロールした左側、Pay-As-You-Go プランの Start Now ボタンをクリックします。

個人利用のアドレスでサインインした場合は、組織のアカウントか個人のアカウントかを選択する画面になりますので、下の個人利用アカウントを選択します。

そうすると、クレジットカード情報の入力画面になるようです。12/2に私が試した時点では、「あなたの地域ではまだこのサービスは個人利用できないよ」となってしまい、その先には進めませんでした。

もし、会社に紐づくアカウントで始めた場合は、個人アカウントを選択する画面にならず、即、契約期間を選択する画面になります。

0 JPY と出ているので安心して進めちゃいますね!

とはいえ、会社からの発注を勝手にやると良くないと思うので、事前申請など良きに計らってから進みましょう。しくじると請求書が来てしまう可能性もあります。(後述)

 

すでに会社がBTPのグローバルアカウントを持っている場合は、同じグローバルアカウントにするか、別に作るかの確認メールが来ます。

2つの違いについて確認したところ、

  • 既存の環境を使って同じグローバルアカウントにプロビジョニングすることで、最も効果的に活用できます。これにより、既存のグローバルアカウントは「ハイブリッドアカウント」に変わります。使用量や消費量のダッシュボードが通常のサブスクリプションとは異なるため、外観や操作性は若干異なりますが、既存の作業はそのまま維持されます。
  • テスト、開発、POCの作業を本番環境から明確に分離したい場合には、Free Tier サービス用に新しいグローバルアカウントを作成することを選択します。(例:厳格なアクセス権管理など)

との回答でした。

3. 環境にログインし、サブアカウントを作り、必要な権限を追加する

個人利用アカウントにした場合は、会社のSユーザIDとも、個人で作ってたPユーザIDとも異なるSユーザIDに紐づくグローバルアカウントの情報が届くようです。

まずはサブアカウントを作成します。

次に、Cloud Foundry を有効化します。ここからが大事。

計画(Plan)を選択する際に、standard が初期表示されますが、free をしっかり選んで先に進みましょう。

そのあとは、サイドバーの「権限」から、必要なサービス計画を追加します。動画では、SAP HANA Cloud や、Launchpad Service のフリープランを選択していました。

Free Tier の選択肢があるアプリはDiscovery Centerから確認できますので、目当てのサービスが含まれていたら、権限でサービス計画を追加しましょう。この際も、free と書いてあるプランを選択するのを忘れずに…

しくじりかた

初期ログインした時に、トライアル環境でいつもお世話になっている「ブースタ」が目に飛び込んできました。

そして、トライアル版ではみたことのないローコード開発用のタイルを見つけてしまい、つい、ためらいなく「開始」をクリックしました。

(少コードという日本語にじわりとしながら)

ご存じの通り、ブースタは、何から何まで自動設定してくれる神機能です。サブアカウントの作成からサブスクライブ、インスタンスの作成まで自動でやってくれます。

設定済みのアプリケーションにアクセスし、Free Tier 環境では AppGyver 試せるんだ~と感心していました。

そして2日後…ふと気づいたのが、

「あれっ、Plan が standard になってるの、やばくない?」です。

焦って即削除してしまったのでキャプチャが残っていないのですが、上記の計画の free のところが standard になっていました。

BASはこの Free Tier サービスのリストに確かにいる、のですが、free のプランで始めてないと課金されます。そして AppGyver はそもそもリストにいません。

そもそもここは、トライアル環境ではなく、 Pay-As-You-Go の本番環境。

なので、特にハードルなく課金対象のサービスを使えてしまうのです。その境目は、free のプランを選ぶかどうかのみ。

そしてブースタを使った場合、ためらいなく本番用のプランで作成されてしまいます。

【教訓】Free Tier お試し中は、ブースタ禁止

 

課金状況の確認方法

グローバルアカウントの「使用状況」から確認できます。
(このアカウントでは、まだ最初の請求サイクルが始まってないのでなにも表示されていません)

さいごに

この記事では、Free Tier の始め方と、個人利用で始めたあとクレジット請求がどーん!とならないための注意点をまとめてみました。

今思うともう少し注意深く始められたと思うのですが、なんだか悪い方向にトライアル環境慣れしていたな、と反省しています。

ぶつぶつこの件を呟いていたら、

  • ロードマップ上、もうすぐ AppGyver も Free Tier で使えるようになるよ
  • Free Tier は本番環境なので トライアル環境よりパフォーマンスが良いよ

ということを教えてもらいました。確かに、BASの環境立ち上がりとか、速かった気がします。

なので、自分のしくじりで勝手にネガティブなイメージを持つことなく、これからぜひ、Free Tierも活用していきたいと思います。
(怖いので、個人利用できるようになるまで待つかもですが)

 

 

(2022/3/13 追記)
しばらくぶりに「使用状況」を確認したところ、コスト 0 EUR となっていました。
ひとまず今回のしくじりはなかったことにできそうです。

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