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AppSheetで爆速SAPアプリ開発
この記事は SAP Advent Calendar 2021 の12月2日分の記事として執筆しています。
本記事ではGoogleのノーコード開発ツールであるAppSheetを用いて爆速でアプリを作ります。
本記事の手順に従うことで、以下のようなイメージのアプリが初見でも10分以内に作成できます。
AppSheetについて
AppSheetの優れている点は、
・標準対応のデータソースの多さ
・データから自動で画面を生成をしてくれるのでサクッと作れる
・10名まで無料で使えるため小規模なPoCで使える
であると考えています。
比較対象として、
MS Power AppsにはDBアクセスのためのコネクタが用意されていますが、DBアクセスコネクタはPremiumプランでないと利用できません。
SAP AppGyverは
①部品を並べて画面を作る
②部品にデータを紐づける
のプロセスでアプリを作ります。エンジニア向けの印象です。
自動的に画面を生成してくれるAppSheetの方がサクサク作れてシチズンデベロッパー向けです。
データから画面を自動生成してくれるところは、ローコード開発ツールのOutSystemsに近いですね。
事前準備
- SAP ES5の登録
- Googleアカウントの取得
1.AppSheetのアカウント登録
https://www.appsheet.com/ にアクセスして、Start for FREEでアカウントを作成します。
2.データソースの登録(SAP ES5のODataを利用する)
[My account] – [Sources] – [New Data Source]より、データソースを追加します。
データソースの種類はODataを選択します。
以下を参考に設定して下さい。
項目 | 設定値 |
OData Version | SAP ES5はv2のため2.0を指定 |
OData Service Root URL | https://sapes5.sapdevcenter.com/sap/opu/odata/IWBEP/GWSAMPLE_BASIC |
Username | ES5のユーザIDを指定 |
Password | ES5のパスワードを指定 |
データソースの設定ができたため、ここからは画面を作っていきます。
3.アプリの作成
AppSheetのメイン画面に戻り、[New App]ボタンからアプリを作成します。
Start with your own dataを選択
適当にアプリ名とカテゴリを指定して、Choose your dataを選択
先ほど作成したODataデータソースを指定します。
データセットを選びます。今回はProductSetを選びました。
1分ほど待つと自動的にアプリが生成されます。
テンプレートも自動的に適用され、検索もCRUD操作も可能な本格的なアプリケーションが完成しました。爆速ですね。
4.アプリを動かす/モバイルに共有する
完成したアプリは初めからCRUD機能が備わっています。
モバイル端末から動かしてみたいため、シェアします。
メールでモバイルに送ります。
モバイルで動かした例
検索した例
詳細画面
5.おわりに
以上、ODataを指定するだけで、非常に簡単かつ有用なアプリケーションを爆速で作成できることがお分かりいただけましたでしょうか。
もちろん自動生成されたアプリをカスタマイズすることも可能ですし、S/4HANA拡張のちょっとしたアプリに使えそうではないでしょうか。
是非ご活用下さい。