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Technical Articles

SAP User Experience Management by Knoaのご紹介(1回目)

はじめに

今回から2回に渡り、ユーザーエクスペリエンス管理のソリューションであるSAP User Experience Management by Knoa(以下、Knoa)についてご紹介します。

1回目となる本ブログ記事では、Knoaの全体像をまずおさえて頂くことを目的に、Knoaのツールとしての位置付けや役割、また想定されるKnoaの活用場面といったトピックを中心にご説明させて頂きます。

 

ユーザーエクスペリエンス管理が重要な理由

SAPシステムを日々運用していく中で、以下のような状況に陥る場合があるかと思います。

  • ソフトウェアの使用方法に関する業務ユーザー側の理解が不足しており、結果的にIT部門へ問い合わせが多く発生する。
  • 業務ユーザーが引き起こしたエラーにより、例えば後続処理等が進まず業務への影響が生じる。
  • 業務ユーザーのオペレーションから問題点を把握し、その問題点を解決する改善策の特定や優先順位付けに時間がかかり、業務改善がなかなか進まない。

このような背景の中で、ソリューションの導入効果や業務ユーザーの満足度向上といった、ITへの投資に対し期待される結果を残すためには、ユーザーエクスペリエンス、つまり業務ユーザーの使用状況やパフォーマンスを継続的に理解し、生じた問題に即座に対応できる体制や能力を持つことが大事な要素の一つとして考えられます。

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図1 : ユーザーエクスペリエンス管理で求められるポイント

 

ユーザーエクスペリエンスのタッチポイント

では、「業務ユーザーの使用状況やパフォーマンスをどのように把握することができるか?」、つまり、「ユーザーエクスペリエンスのタッチポイントにはどのようなものがあるか?」という視点から、Knoaのツールとしての位置付けについてご説明したいと思います。

Knoaの他に、ユーザーエクスペリエンス管理に関連するソリューションとしては、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • プロセスマイニングツール
  • SAP Solution Manager User Experience Monitoring (以下、UXMon)

プロセスマイニングツールは、SAP ERPやSAP S/4HANAなどバックエンド側で処理されたトランザクションデータを元に、伝票番号等のID、処理された実際のアクティビティ、およびそのアクティビティの実行日時をベースとして、業務ユーザーが実行したプロセスフローを可視化、および分析するためのツールです。業務プロセスの標準化を目的としたプロセスフローのパターンの把握や、可視化されたプロセスフローからスループットや自動化率など業務上の問題点の把握といったことに用いられます。

UXMonは、業務ユーザーのトランザクション処理を仮想ユーザー(ロボット)にシミュレートさせ、業務ユーザーのオペレーション視点からSAPシステムの可用性やパフォーマンスなどを計測し、アラートの発生状況を監視するための機能です。SAP Solution Managerが提供するSystem Monitoringの監視機能と併用することで、バックエンドおよびフロントエンド双方の視点でSAPシステムに対する監視が可能になります。

一方、今回のトピックであるKnoaは、ユーザーPC上で業務ユーザーの操作ログを収集、分析するためのツールです。業務ユーザーの操作ログから導入したソリューションの定着度を確認する、また、業務ユーザーの生産性に関わるような問題を特定するといったことに用いられます。

 

Knoaとは?

それでは、ここからKnoaについて改めてご説明したいと思います。

図2にKnoaのポイントを示します。

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図2 : Knoaのポイント

Knoaでは、ユーザーPC上で動作するKnoaエージェントによって業務ユーザーの操作ログを取得しています。この時、KnoaエージェントはSAPのサーバーへアクセスすることはありません。SAPサーバーの運用に直接影響を与えることなく、業務ユーザーの操作ログが取得できるのは大きなメリットです。

Knoaエージェントによって取得した業務ユーザーの操作ログは、またKnoaエージェントにより定期的にKnoaサーバーへ送信されます。

送信された業務ユーザーの操作ログはKnoaサーバーに蓄積され、更にレポーティング用のサーバーに転送されます。

このレポーティングサーバーでは、SAP BusinessObjectsの事前定義された各種機能により、業務ユーザーの操作ログを様々な角度で分析することができます。なお、この分析機能についてはSAP BusinessObjectsの使用が前提となっているため、別途SAP BusinessObjectsのライセンスが必要となる点にご注意ください。

 

Knoaの利用想定シーン

それでは、Knoaがどのような場面で活用できるかご説明したいと思います。

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図3:Knoa活用のポイント

 

(1) ユーザーエラーの発生状況

Knoaではエラーの発生状況、つまり「誰がエラーを発生させたか?」、「そのエラーはどのトランザクションを実行したときに発生したか?」、「そのエラーはいつ発生したか?」といったことを分析することが出来ます。

例えば、多くのユーザーが同じような状況でエラーを発生させていた場合、操作手順そのものが正しく理解されていない可能性が考えられ、改善策としてユーザー教育を再徹底する、また、ある特定のエラーが同じような状況で頻発していた場合、アプリケーション側に何らかの問題を疑い、改善策として設定の見直しや修正を行う、といった対応に繋げることができます。

 

(2) ユーザーの操作ログ

Knoaでは、エンドツーエンドでのユーザーの操作ログが確認できます。

この操作ログにより、「どのユーザーが、いつどのトランザクションをどの画面で、またどういった操作順で実行したか?」といったことを分析することができます。

例えば、想定外の順番で操作を行っているユーザーが多数存在することが分かった場合、正規の業務プロセスフローへの理解が足りない可能性が考えられますし、また、エラーも発生させていることが分かった場合、業務プロセスフローそのものに問題がある可能性も考えられます。

このような状況の下で、業務プロセスフローに関するユーザー教育を再度行う、あるいは業務プロセスフローの見直しを行うといった改善策に繋げることができます。

 

(3) アプリケーションの使用状況

Knoaでは、「誰がどのトランザクションをどれくらい利用しているか?」といったアプリケーションの使用状況を可視化することができます。

例えば、お客様独自のアドオンプログラムを対象に「どのアドオンプログラムが多く使われているか?」、「殆ど使われてないアドオンプログラムは何か?」といった視点で分析が可能です。

この分析により絞り込んだ使用頻度の少ないアドオンプログラムに対して、システムアップグレード前に標準プログラムへの置き換えやアドオンプログラム自体の廃棄などを進めることが出来れば、運用コストの低減といった効果も見込めます。

 

(4) ユーザー側のレスポンスタイム

Knoaでは、ユーザーが実行したトランザクションのレスポンスタイムについても把握することが可能です。

レスポンスタイムが長いアプリケーションの特定、また、長時間のレスポンスタイムにより影響を受けているユーザーの特定といったある特定条件での絞り込みから、パフォーマンスに関する問題の分析が可能となっています。

 

まとめ

今回は「Knoaとは何か?」、「Knoaでどんなことが出来るか?」といったことを中心にご説明いたしました。

改めてポイントを整理すると、以下のような点が挙げられると思います。

  • Knoaは業務ユーザーの操作ログを対象とする
  • Knoaで取得した業務ユーザーの操作ログを通して業務ユーザーのアプリケーション使用状況を監視し、導入したソリューションの定着度、業務プロセス実行の確実性、業務ユーザー側で確認されるパフォーマンスの問題や業務ユーザーの生産性に影響を及ぼすアプリケーションの問題などを分析することが可能

次回は、KnoaのアーキテクチャやKnoaの管理用コンソール、分析機能といった、もう少し技術的な内容にフォーカスしてご説明したいと思います。

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