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Free Trialではじめる SAP Data Warehouse Cloud: Vol3. ビューの作成
はじめに
本ブログでは、SAP Data Warehouse Cloud ( 以下DWC ) の Free Trial 環境を使用して「データをロードして可視化する」までの一連の操作を体験していただきます。
今回のシリーズではDWCの下記の利用ステップについて解説していきたいと思います。
3. ビューの作成 (データ準備)
今回は「3. ビューの作成」をご紹介します。
ビューの作成
複数のテーブルを結合して、ユーザーがレポートしやすい形式にデータを整えます。この作業を一般的に「データ準備(Data Preparation)」と言います。
SAP HANAを使用したデータウェアハウスの仕組みでは、集計結果を別テーブルに格納するのではなく、「ビュー(仮想テーブル)」として保持することを推奨しています。
SAP HANAをDBとして活用すると超高速にデータアクセスができて、オンラインで明細レベルのデータを様々な分析軸で集計できるため、分析レポート毎に作成していた「データマート」の設計、開発、運用コストを抑えることができます。
また、常にビューを介して、テーブルデータを全ユーザーが参照することになるので「One Fact, One Place, Real Time」が実現できます。
それでは、操作していきましょう。まずはテーブルの関連付けを行います。
左メニューの「データビルダ」を選択した後、「新しいグラフィックビュー」を選択します。
ビューの作成方法はドラッグ & ドロップで行います。
「受注明細(Orders)」 テーブル、「顧客マスター(Customers)」テーブル、「製品マスター(Products)」テーブルの順番にテーブルの結合条件を設定していきますが、操作は下記の動画をご確認ください。
次にビューのタイプの指定、メジャー、属性の設定を行います。
まず、ビューの名前を付けます。
・ビジネス名 : 売上明細 – グローバル
・技術名 : V_Orders
次に「セマンティック用途」を「分析データセット」に設定します。SAP Analytics Cloud (以下、SAC)でデータを可視化(ストーリー作成)する場合は、ビューのタイプを「分析データセット」に設定する必要があります。
そして、作成したビューを共有したり、この後のストーリー(レポート)作成するためには、「利用のための公開」スイッチを「ON」にする必要があります。
分析データセットを指定すると「属性(アトリビュート)」と「メジャー」を指定する必要があります。
簡単に解説すると、「属性」は分析軸の列のことで、「メジャー」はその分析軸によって集計される列のことです。
今回は「NETSALES(売上)」列を「メジャー」に設定します。
英語に抵抗があるビジネスユーザーが多い場合は、列名に日本語を設定することが可能です。
「メジャーの編集」アイコンを選択して列名(ビジネス名)を設定します。今回は「売上」と変更します。
次に、分析軸となる下記の項目を「属性」として設定します。
【顧客マスター系の列項目】
・CUSTOMER
・CITYNAME
・COUNTRYNAME
・REGIONNAME
【製品マスター系の列項目】
・PRODUCTNAME
・CATEGORYNAME
・LINENAME
それ以外の項目は非表示に設定します。
複数の列を「Ctrl」キーを押しながら選択して、「非表示」マークをクリックします。
※この後の「列名を日本語に設定する」手順での画面で、チェックボックスで表示/非表示の選択することも可能です。
メジャーと同様に「属性名」も日本語で設定します。
「列の編集」アイコンを選択してビジネス名を設定します。
今回は表示する属性項目のみ、日本語名を「ビジネス名」に追記します。
【属性の日本語名】
・CUSTOMER : 顧客
・CITYNAME : 都市
・COUNTRYNAME : 国
・REGIONNAME : 地域
・PRODUCTNAME : 製品
・CATEGORYNAME : 製品カテゴリー
・LINENAME : 製品ライン
また、そのビューの説明やタグ付けを行うことが可能です。ビジネスユーザーが検索し易いタグを自由に付加しましょう。
※ 今回は説明を割愛しますが、「ビジネスカタログ」画面から、キーワード検索することが可能です。
設定が完了したら、画面上部の「保存」ボタンをクリックし、ビュー名(モデル名)のビジネス名と技術名をそれぞれ確認、保存した後、「デプロイ」ボタンをクリックして、ビューを有効化します。
「デプロイ」ボタンをクリックした後、しばらくしてからデプロイが完了した旨のメッセージが表示されます。
※ ビューを保存しただけでは利用可能になりません。必ず「デプロイ」ボタンをクリックして有効化してください。
お疲れ様でした !
次回はデータ可視化するための準備としてSACとの接続設定手順についてご紹介します。