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SAP Solution Manager: SAP Cloud Platform の監視設定①
はじめに
このブログシリーズでは、SAP Cloud Platform(以下SAP CP) Cloud Foundry上で発生したアプリケーションのクラッシュを SAP Solution Manager で監視する方法4回に分けてご案内します。
- SAP Solution Managerの事前準備(本ブログ)
- SAP Solution Manager から SAP CP への接続設定
- SAP CPでのアラート定義
- SAP Solution ManagerでのSAP CPの監視設定
1回目のブログでは、SAP Solution Manager および SAP CP で必要な事前準備をご案内します。
参考情報:
本ブログは、SAP Support Portalの以下の設定資料を元に作成しました。
使用環境:
以下の環境を利用しています。
SAP Solution Manager 7.2 Support Package Stack (以下SPS) 11
SAP Cloud Platform Cloud Foundry (Tokyo)
前提条件と確認方法
- SAP Solution Manager 7.2 に必要なSPSが適用されていること
SAP GUI で Solution Manager のABAPインスタンスにログオン後、System → Status → System DataのDetailsボタン → Installed Product Versions をクリックします。
使用する機能によって最低限必要なSPSレベルが異なります。詳細は、以下のURLをご参照ください。
- SAP Solution Managerの必須設定が完了していること
SAP GUI で Solution Manager のABAPインスタンスの本稼働クライアントに英語でログオン後、SAP トランザクションコード(以下 T-cd) SOLMAN_SETUP 開始後に表示されるブラウザ上で、Mandatory Configurationの3つのシナリオのすべてのステップが完了していること(Statusが緑信号)であることを確認します。
- SAP CP で Alert Notification が契約されていること
SAP Cloud Platform Cockpit にログオン後、Cloud Foundry のSub accountに移動します。ここでEntitlementsにAlert Notificationが表示されることを確認します。表示されていない場合には、右側のConfigure Entitlementsをクリック後、Add Service Plans からAlert Notificationを追加します。
- SAP Cloud Platform でSub account および Spaceが登録済みであること
SAP Cloud Platform Cockpit にログオン後、Cloud Foundry のSub accountに移動します。
Cloud FoundryタブのSpaceを選択し、監視対象のSpaceが登録済みであることを確認します。
監視のための事前準備設定:
- SAP Note の適用
SAP CPの監視は、SAP Solution ManagerのException ManagementとInterface and Connection Monitoring の機能を利用します。SAP Solution ManagerのABAPインスタンスでT-cd SNOTEを開始して以下の3種類のSAP Noteを適用します。
■SAP Note 2909503 – Use max Password length Destination API Type G
■SAP Note 2410166 – Corrections for E2E Exception Management (7.2 SP04 to SP11)
■ご利用のSAP Solution Manager のSPSレベルと一致する以下のリンク中のSAP Note
- Exception Management, Interface and Connection Monitoring の有効化
SAP Solution ManagerのException Management と Interface and Connection Monitoringを利用するためには、それぞれの機能で初期設定が必要です。
SAP Solution ManagerのT-cd SOLMAN_SETUPのApplication Operations以下でそれぞれの機能に対して初期設定を実行します。
A. Exception Managementに必要な設定
ステップ1のConfigure Housekeepingを完了します。
B. Interfaces and Connections に必要な設定
ステップ2 の Configure Infrastructure のすべての必須ステップを完了します。
特にステップ2.6のUpdate Contentは設定前に最新のコンテンツがダウンロードされアップデートが適用されていることを確認します。(New Content Available: がNoと表示され、Updateボタンが無効化されている)
- Alert Notification のService Instance の登録
SAP CPのアプリケーションが実行されている監視予定のSpaceに移動後、ServicesタブのService InstancesからAlert Notificationのインスタンスが登録されているかどうかを確認します。(以下の例では、Sub account IDG Japan Standard CF のSpace demo で、サービス Alert Notificationに対してInstance ”otaalert” が登録されています。)
未登録の場合には、右上のCreate InstanceからAlert Notification用のインスタンスを登録します。登録時には以下の画面のようにServiceにAlert Notificationを選択後、Instance Nameを入力してからCreate Instanceをクリックします。
注意:他のSpace 用のインスタンスを登録するには、いったんSub accountに戻ってから、ServicesタブのService InstancesでCreate Instanceを実行してください。Sub accountのAlert NotificationのInstanceの登録では、Spaceを選択することができます。
- 接続用のキーの登録
次に、登録済みのAlert NotificationのInstanceに対してSAP Solution Managerから接続するためのキーを発行します。Space のService InstancesでAlert NotificationのInstanceを表示し、Create Service Keyを選択します。
任意の名称でService Keyの名称を入力後、Createをクリックします。
Service Keyが登録されたら、ダウンロードします。Instance (otalert) をクリックすると右側に詳細情報が表示されます。ここからキーをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルは以下の情報が含まれます。後にSAP Solution Managerから利用するため、保管します。
- Cloud SSL関連設定
次にCloud SSL関連の設定を実行します。
最初に前のステップでダウンロードしたファイルのoauth_url のリンクにWeb ブラウザでアクセスします。以下はGoogle Chromeを利用した例です。
アクセス後のユーザとパスワードの入力画面はキャンセルし、ブラウザのURLの左の鍵マークをクリックします。
Certificateをクリックします。
Certificate Pathタブを選択し、証明書名を選択後、View Certificateをクリックし、DetailsタブのCopy to File… をクリックします。
Certificate Export Wizardが起動します。最初の画面はNextをクリックしてスキップし、次の画面では Base-64 encoded X.509 (.CER) を選択し、Nextをクリックします。
次の画面では、ファイルのダウンロード先を指定しNextをクリックします。
確認画面が表示されるので、ここでFinishをクリックします。
ファイルのダウンロードが完了すると、The export was successful.の画面が表示されます。
次にSAP Solution ManagerのABAPインスタンスの本番稼働クライアントに英語でログオンし、T-cd SOAMANAGERを起動します。表示された画面では、Service Administration タブのSimplified Web Service Configurationを選択します。
API Settingsのタブを選択し、X-509 Certificate Authentication にチェックが入っていることを確認します。未設定であれば、チェックを入れてからSaveをクリックします。
次に、SAP Solution ManagerのABAPインスタンスの本番稼働クライアントに英語でログオンし、T-cd STRUSTを実行します。SAP GUIの画面で変更モードとしてから、SSL client SSL Client (Anonymous) を選択してからImportをクリックします。
ブラウザからダウンロードしたcerファイルを指定してOpenをクリックします。
チェックをクリックします。
STRUSTのCertificate 欄に証明書情報が表示されます。Add to Certificate Listをクリックします。
保存ボタンをクリックし、SSL PSE was saved (ICM was notified)と表示されることを確認します。
SSL client SSL Client (Anonymous) のCertificate Listに追加されたことを確認します。
次にDEFAULTプロファイルにパラメータを登録します。T-cd RZ10を開始し、DEFAULTプロファイルを選択後、Extended maintenanceを選択しChangeをクリックします。
以下の2つのパラメータが指定通りに登録されていることを確認します。されていなければParameterの登録ボタンをクリックして、以下の2つのパラメータを設定します。
ssl/client_sni_enabled =TRUE
icm/HTTPS/client_sni_enabled = TRUE
2つのパラメータを追加後には以下のように表示されます。 Copy をクリック後、前画面ボタンから最初の画面に戻ります。
保存ボタンをクリックして保存します。保存後には、変更されたパラメータの有効化のため、SAP Solution ManagerのABAPインスタンスを再起動してください。
以上で、事前準備設定までが完了しました。
次回のブログでは、SAP CP を SAP Solution Managerへ接続します。