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SAP Analytics Cloudのビジネスコンテンツの探し方とインストール手順
はじめに
このブログポストではSAP Analytics Cloudのビジネスコンテンツの探し方とインポート手順を紹介します。
ビジネスコンテンツとは?
SAP Analytics CloudのビジネスコンテンツとはSAPが無償で提供している業務および業種別の定義済みコンテンツで、モデル、ストーリー、SAP Digital Boardroom、アナリティクアプリケーション、Smart Predict シナリオ、サンプルデータなどから構成されています。特にサンプルデータを含んだビジネスコンテンツは、インポート後からストーリー上ですぐにサンプルデータを確認することが可能です。
*SAP Analytics Cloudビジネスコンテンツはサンプル利用/テンプレート利用を想定しており、そのまま本稼働オブジェクトとして流用することは推奨していません。
ビジネスコンテンツの探し方
SAPから提供されているビジネスコンテンツの探し方には、大きく以下の3つの方法があります。
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ビジネスコンテンツの最新情報から探す
SAP Analytics Cloudのビジネスコンテンツはコンテンツイノベーションとして提供されており、各コンテンツイノベーションで提供されているビジネスコンテンツをブログポストから確認することが可能です。
また、最新のリリース情報については、オンラインヘルプ「コンテンツネットワークのリリース情報」からも確認することが可能です。
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ロールアウト用スライドデックと拡張コンテンツインベントリから探す
ロールアウト用スライドデックにアクセスして、Download the Documentから「LoB and Industry Content for SAP Digital Boardroom & Analytics Cloud.pdf」をダウンロードして、SAPから提供されている定義済みビジネスコンテンツの概要を確認することができます。
ロールアウト用スライドデックには拡張コンテンツインベントリのExcelファイルが添付されています。
Adobe Acrobat Readerのメニューから「Open Attachment」を選択して、Excelファイルを開くことができます。CI16は「Contents Innovation 16」を意味しています。
拡張コンテンツインベントリのExcelファイルには以下の情報が記載されています。
- LoB/インダストリのコンテンツかどうか
- コンテンツの接続タイプ(インポート接続/ライブ接続)
- コンテンツのデータソース(S/4HANA OP、S/4HANA Cloudなど)
- コンテンツが計画機能を含んでいるかどうか
- 地図、バリュードライバーツリー、スマートインサイトなどの機能を含んでいるかどうか
- Digital Boardroomが含まれているかどうか
- 英語以外の言語情報(コンテンツは基本的に英語で提供されています)
- コンテンツの提供バージョン
最新の拡張コンテンツインベントリはオンラインヘルプからもダウンロードすることが可能です。以下のリンクにアクセスして、hereをクリックしてください。ZIP形式でファイルがダウンロードされます。
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オンラインヘルプから探す
ビジネスコンテンツの一覧はLoB、インダストリごとにオンラインヘルプ「Content Package User Guide」でも提供されています。
以下はLoBのFinanceのアーキテクチャ概要図です。SAP Analytics Cloudのオンラインヘルプでは、SAP Analytics Cloudで提供されているコンテンツ(ダッシュボード、ストーリー、モデル)の詳細を確認することができます。アーキテクチャ概要図で対応するCDSビューも確認できますが、CDSビューの詳細はS/4HANAのオンラインヘルプで確認する必要があります。
ビジネスコンテンツのインポート手順
ここからは上記で探したビジネスコンテンツのインポート手順を説明します。コンテンツネットワークからコンテンツをインポートするには、ライフサイクルの読み込み権限と更新権限が必要となります。BI管理者の標準ロールにこれらの権限は含まれています。
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SAP Analytics Cloudのメニューからブラウズ>コンテンツネットワークを選択します。
SAPが提供しているビジネスコンテンツをインポートする場合、「ビジネスコンテンツ」タイルをクリックします。
提供されているビジネスコンテンツの一覧が表示されます。
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インポートするビジネスコンテンツを選択します。
以下は「Integrated Financial Planning for SAP S/4HANA」を選択した例です。
「概要」ページで選択したビジネスコンテンツの概要を確認することが可能です。また、上記画面からすでに本ブログポストで紹介したContent Package User Guideやコンテンツネットワークのリリース情報へリンクからアクセスして詳細を確認することも可能です。
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インポートオプションを選択します。
「インポートオプション」ページでインポート時のオプションを選択します。
- インポートスケジュール
コンテンツネットワークでパッケージが更新されたときの動作を指定します。「なし」はシステムへの更新は行われません。このオプションは、コンテンツネットワークで更新できないパッケージでは自動的に選択されます。
コンテンツネットワークから更新できるコンテンツについては、「新しいコンテンツを通知する」、あるいは「新しいコンテンツを自動的に更新する」のオプションを選択することが可能です。
- 設定の上書き
システム上のオブジェクトと同じ名前のオブジェクトがインポートに含まれている場合は、既存のコンテンツを維持するのか、上書きするのかを選択します。 システムにまだ存在しないオブジェクトは常にインポートされます。「データの上書きのみ」、あるいは「オブジェクトとデータを上書きする」のオプションを選択した場合、影響を受けるコンテンツのチェックが行われます。
- コンテンツ
インポートするコンテンツを選択します。初期はすべてのコンテンツが選択されています。
- データ取込
サンプルデータが提供されている場合、サンプルデータを取り込むかどうかを選択します(インポート接続のコンテンツのみが対象です)。初期はデータ取込が選択されています。
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インポートを実施します。
「インポート」をクリックして、コンテンツをインポートします。インポートジョブが開始され、通知でインポート状況を確認することが可能です。
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インポートされたコンテンツを確認します。
インポートされたコンテンツは「Models」フォルダと「SAP_Content」フォルダで確認することが可能です。モデルは「Models」フォルダに、ストーリーおよびダッシュボードは「SAP_Content」フォルダにインポートされます。
既知の課題と制約
コンテンツネットワークで提供されているコンテンツの既知の課題と制約は以下を参照してください。
まとめ
本ブログポストでは、SAP Analytics Cloudのビジネスコンテンツの探し方とインストール手順をご紹介しました。
すでに数多くのビジネスコンテンツが提供されています。本ブログポストでご紹介した情報を元に、数多く提供されている業務および業種別の定義済みコンテンツから効率的にご要望に合ったコンテンツを探し出し、サンプルとして、あるいはテンプレートとして有効活用していただければと思います。
田中さん、本当にありがとうございました!
Antoine, Je vous en prie!(どういたしまして!)