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このブログ投稿は、下記5つのパートの5番目の “CAI を利用したお客様のプロジェクト事例” です。

  1. 作成するチャットボットの概要説明と必要な準備

  2. チャットボットの作成: ステップ1(ボットの作成、インテントやエンティティの作成)

  3. チャットボットの作成: ステップ2(スキルの作成)

  4. チャットボットの作成: ステップ3(チャットのテストとログの紹介)

  5. <このブログ投稿> CAI を利用したお客様のプロジェクト事例


このブログ投稿では、CAI を利用したお客さんのプロジェクト事例を紹介していきたいと思います。

事例1

1つ目の事例は、下記の流れで処理を進めます。

  1. Webchat のチャットを通してどのような問題が発生しているのかの情報を収集

  2. 関連しているマニュアルなどを提示

  3. それでも問題が解決できない場合、インシデント登録の処理を開始するためインシデント内容などの情報を収集し、ミドルウェアである Node.js アプリケーションに渡す

  4. Node.js アプリケーションは、入力されたインシデント内容を SAP Service Ticket Intelligence に渡し、適切なインシデントカテゴリを取得

  5. インシデントを SAP Solution Manager に登録

  6. インシデントが登録されたらそのリンクをチャットを通してユーザーに通知



ここでは、CAI と連携するチャットアプリとして Webchat を利用しており、Webchat 自体は標準のものを Fork して必要に応じて調整をしているものを使用しています。

Node.js で開発したアプリケーションは、独自で開発したもので、CAI から送られてきたデータをまとめてインシデント内容を作成したり、SAP Service Ticket Intelligence にアクセスして、カテゴリの取得をするなどのミドルウェアとして利用しています。

Cloud Connector はオンプレミス環境の Solution Manager にアクセスするために使用しており、インシデント登録には、Solution Manager にもともと存在している標準の OData を利用しています。

 

事例2

2つ目の事例は、下記のような構成をしています。


インシデントに必要な情報の収集は上記事例1と同じように処理を進めますが、ここでは、インシデントの登録先に SAP Solution Manager ではなく、サードパーティのインシデント管理ツールを使用しており、日本語で入力されたインシデントの内容を英語に翻訳するために、Goolge Translation API を 利用しています。

サードパーティのインシデント管理ツールへは Cloud Connector 経由でアクセスし、インシデント管理ツール側で用意している API を利用してインシデント登録をしております。

 

事例3

3つ目の事例は、下記になります。


こちらは比較的シンプルな構成で、パスワードを何回か間違ったなどでロックされたシステムユーザーの解除依頼をチャットを介してリクエストし、解除処理を実行し、チャットのユーザーに対して結果を返すものになります。

ユーザーのロックに関しては、システム管理者が明示的にロックしたユーザーのロックは解除しないようにしています。

 

まとめ

事例1と2で紹介したようなケースでは、問題に関する情報を収集したり、関連のマニュアルを提示したりなど、今まで1次サポートのメンバーが担当していたことを SAP Conversational AI で作成したチャットボットに任せることによって、サポートメンバーの負荷軽減、人員の削減や他の部署(例えば次レベルのサポートメンバーなど)に移動させることが可能になりました。
3つ目の事例では、今まで連絡を受けてマニュアルで対応していた処理そのものをを全て自動化することができ、サポートメンバーの負荷軽減になり、そのために割いていた時間をそっくり別のことに費やすことができるようになりました。

尚、上記3つの処理はそれぞれ、各々のお客様で必要なものだけを取り入れておりますが、全ての処理を実行する、例えば、インシデントを登録して、翻訳もして、ユーザーロック解除もするようなものを1つのボットで実現することも可能です。

どの事例でも Node.js で独自に作成したミドルウェアアプリケーションを使用しておりますが、ものによっては、Node.js アプリケーションを開発せずに、今回のブログシリーズで紹介したような API を CAI から直接利用して実現できるものもあります。
CAI から直接 API にアクセスして、取得したデータをハンドルする機能は比較的新しい機能で、どの事例でも開発している時は、その機能が CAI に備わっていなかったため、基本的にどの API を呼ぶ際も Node.js アプリケーションを開発し、CAI と API の連携をするミドルウェアとして開発しました。

5つのブログ投稿を通して、SAP Conversational AI の簡単なチャットボットの作成方法、実際に SAP Conversational AI を利用したお客様事例を紹介させていただきました。これにより、SAP Conversational AI がどのようなものか、どのような活用事例があるのかを理解していただき、貴社で利用する場合のイメージができたのではないかと思います。

 

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