Technical Articles
はじめてのSAP Data Warehouse Cloud : Part 4 ~ ストーリー(レポート)の作成
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
SAP Data Warehouse Cloudの最新Blogはこちらをご参照ください
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
はじめに
本ブログでは、SAP Data Warehouse Cloud ( 以下DWC ) のFree Trial環境を使用してDWCを体験いただく手順をご紹介します。
最初なので、まずは「データをロードして可視化する」をクイックに体験していただきます。
DWCの利用ステップは大きく分けて下記の4つの作業になります。
- スペースの作成と割り当て
- CSVデータをアップロードしてテーブルを作成
- ビューの作成 (データ準備)
- ストーリー(レポート)の作成
前回のPart 3ではビュー(仮想テーブル)を作成しました。今回は手順4.の「ストーリー(レポート)の作成」をご紹介します。
4. ストーリー(レポート)の作成
いよいよ、ビジュアライズ化します。SAP Analytics Cloud (以下、SAC) を使用します。
左メニューの「ストーリービルダ」を選択し、その後、ビューが格納されているスペースを選択し、「ストーリーの作成」を選択します。
レポートを「ストーリー」と呼ぶあたりがSAPが少しオシャレなところです。これからどんなストーリーが展開されるのか楽しみになります。
まずはデータを選択します。先ほど作成したビュー「売上明細 – グローバル」を選択し、その後、「チャート」を選択します。
4.1 チャートの作成
チャートの作成画面が表示されました。
まずは「地域ごとの売上のパイチャート」を作成したいと思います。
右側に表示された設定画面から、「+メジャーの追加」をクリックして「売上」を選択します。
次に「+ディメンションの追加」をクリックして、「地域」をチェックします。何やらパイチャートが表示されました。
次にチャートの種類で「円(パイチャート)」を選択します。
次に売上が高い順にソートするために、パイチャートの右上の「・・・」を選択し、「ソート」 > 「売上」 > 「高い順」を指定します。
勢いにのって、別の軸で集計したチャートを追加してみましょう。
画面上のメニューボタンから「チャート」のアイコンをクリックします。
次に「国ごとの売上のバーチャート(棒グラフ)」を作成します。
右側に表示された設定画面から、棒グラフのアイコンを選択し、「+メジャーの追加」をクリックして「売上」を選択します。次に「+ディメンションの追加」をクリックして、「国」をチェックします。何やら棒グラフが表示されました。
先ほどと同様に、売上が高い順にソートするために、棒グラフの右上の「・・・」を選択し、「ソート」 > 「売上」 > 「高い順」を指定します。
もう慣れたものですね。さらに身体に操作を染み込ませるためにチャートをどんどん追加していきましょう。
【製品ごとの売上】
- グラフの形式 : 棒グラフ
- メジャー : 売上
- ディメンション : 製品
【製品カテゴリーごとの売上】
- グラフの形式 : パイチャート
- メジャー : 売上
- ディメンション : 製品カテゴリー
【製品、製品カテゴリーごとの売上】
- グラフの形式 : 棒グラフ
- メジャー : 売上
- ディメンション : 製品カテゴリー、製品(2つ選択)
4.2 チャートの小粋な追加設定
このままでも簡単なダッシュボードが出来上がりますが、チャート間での連携も設定します。
あるチャートからデータを選定すると、別のチャートがその選定されたデータ項目に基づいてフィルタリングされるための設定です。
例えば、「地域ごとの売上」パイチャートから「Asia PAC」などの任意の地域を選択すると「国ごとの売上」チャートのデータが「Asia PAC」絞り込まれます。
もうここまでで頭がパンクしそうな方はスキップしていただても結構です。
「地域ごとの売上」チャートを選択し、「・・・」から「リンク付き分析」を選択、表示された設定画面で「このページの全ウィジェット」と「データポイントの選択に応じてフィルタ」をチェックして「適用」ボタンをクリックします。
4.3 保存して終了
画面上部の「保存」ボタンをクリックし、ストーリー名を入力します。今回はトラディショナルに「売上レポート」とします。
レポートとして参照専用とする時は、画面右上の「ビュー」ボタンを選択し、編集作業を行う場合は「編集ボタン」を選択します。
4.4 色々なチャートを調べてみる
「ツールは習うより慣れろ」と誰が言ったかわかりませんがその通りです。
色々なチャートを選択してどのようなチャートがあるのか、その設定項目は何なのか、色々と試してみてください。
また、データ分析手法を学ぶと「このデータ分析をする時には、このチャートが最適」という推奨事項があります。興味のある方は雑誌や書籍なども確認しながら、データ分析の知見を高めていくのも良いと思います ( ちなみに私はこれから勉強します ) 。
最後に
いかがでしたでしょうか ?
意外と簡単だったかもしれませんし、意外と難しかったかもしれませんが、まずは1,2 時間くらい触ってみると雰囲気は掴めるかと思います。それを週に3回実施してみたら、身体が勝手に操作していると思います。作成したダッシュボードは、毎朝、確認するものにしたいですね。
チャートの見栄えも大事ですが、まずは事実(データ)を可視化すること、そして、それに基づいて施策を考えてアクションを実行することが大事だと思います。
まずは部門内でも情報共有するためのツールとして活用していただき、「データドリブン経営」ならぬ、「データドリブン現場オペレーション」をクイックに、小さく始めて、成功も少しずつ積上げていきましょう。やがて大きな成功に繋がると信じています。
テクニカルには、今後、ユーザーの追加方法やOracleデータベースなどの他システムとの連携方法も情報提供していく予定です。
この後の記事もお楽しみに。