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SAP Business Technology Platformでインテリジェント・エンタープライズを実現する
The pace of change has never been so fast. However, it will never be so slow again.
SAPはなぜPaaS (Platform as a Service)を作り出したのか?
SAPの戦略は「インテリジェント・エンタープライズ」の実現です。私たち人間にとって、知性(インテリジェンス)とは毎日生活の中の経験から学ぶことができることです。経験を知識に変え、知識を適用して初めて対面している複雑な問題でも解決できます。
大規模な組織に置き換えてみると、知識を活かすことは簡単でも自動でもありません。既存の業務の改善、環境変化への対応、新しいテクノロジーの利用には膨大な努力が必要です。
インテリジェントな企業をつくるとは、内部でも外部でも、プロセスを全てデータ化し、そのデータを収集し、知識に変換することです。そして、直面している問題にその知識を適用して業務を改善できる組織を作ることです。
これはつまりSAPのモットーである「Make the world run better」の実現です。
昨今の企業はますます多くのソフトウェアを使用しています。さまざまな部門が異なるクラウドとオンプレミスのソリューションを使用し、それらを調和させて一貫したデータ収集が困難になってきています。
だからこそSAPは既存のアプリケーションの統合や拡張ができる、そして新規のアプリケーション開発ができるクラウドプラットフォームを作りました。
SAP Business Technology Platformでは何ができるのか?
SAP Business Technology Platformは世界中の多くの企業でデジタル変革の基盤として利用されているオープン標準ベースのPlatform as a Serviceです。図1に主な利用用途が描かれています。本ブログでは1つ1つの用途/特徴について説明していきます。
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多種多様なソフトウェアから、データとプロセスを統合する
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SAPのオンプレミス製品をクラウドで拡張する
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新しいアプリをクラウドで開発し、提供する
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人とデータを繋いで、ユーザーに新しい体験をさせる
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新しい技術を全社規模で取り入れる
1) ビジネスソフトウェアの統合プラットフォームです。
ビジネスプロセスのほとんどは、1つの部門で完結せず、部門をまたがっていくつものソフトウエアを使用して実行されます。
一つ一つのビジネスプロセスに、SAPのソリューションも、他のソフトウェアベンダーのさまざまなソリューションも使用されています。
これらにインテリジェンスを適用しようとすると、業務全体を考慮しなければなりません。企業全体で使われているアプリケーションの状況を把握することが重要になります。
このため、SAPシステム同士の統合目的でも、SAPとサードパーティシステムの統合目的でも、SAP Business Technology Platform統合サービスの利用をおすすめしています。
図2 はSAP Business Technology Platformで標準で提供されている統合シナリオのイメージです。
図2
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CRMソリューション(SAP C/4HANA)
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ERPソリューション(SAP S/4HANA)
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人事ソリューション(SAP SuccessFactors)
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購買ビジネスネットワーク(SAP Ariba)
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経費精算・出張管理システム(SAP Concur)
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人材シェアリングプラットフォーム(SAP Fieldglass)
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他社システム(Third Party)
それぞれのシステムで発生しているデータをSAP Business Technology Platformで統合し、一貫して情報活用できるようにします。
世界中5,000社以上がすでにSAP Business Technology Platformの統合サービスを使用しています。今後もSAPはSAP Business Technology Platform統合サービスに注力し、統合シナリオを増やしていきます。
2) SAPアプリケーションに最適な拡張プラットフォームです。
世界中のIT部門ではシステムの過度なカスタマイズによる困難を経験している方がたくさんいます。新機能がベンダーに提供されても即時にアップグレードして使うことができません。いざアップグレードを決心するときはカスタマイズ部分に大変長い移行作業が生じてしまいます。SAPが提供してきたアップデートのスピードにも、IT市場全体が産み出してきた新テクノロジーのスピードにも追いつけない状況を作ってしまいました。デメリットを知った上でも多くの企業はやはり差別化を図るために、自社だけの強みを活かすシステムを作ってきました。
図3ではSAP Business Technology Platform上でオンプレミスのSAP S/4HANAを拡張するシナリオが描かれています。オンプレミスのアプリケーションでも、クラウドアプリケーションでもSAP Business Technology Platformを通して拡張できます。
今後も各社だけの強み・ユニークなプロセスを活かす必要がなくなることはありません。しかし新技術をいち早く取り入れてIT中心の戦略を取る企業は、コアシステムの外部にサイドバイサイドでアプリケーションに拡張機能を追加し、アジャイルにアップグレードしていきます。
コアシステムをきれいに(カスタマイズせずに)保って、各社特有の拡張をクラウドで開発していく構成のメリットは明らかです。コアシステムの安定性とアップグレードの容易性が増すだけではなく、拡張部分もHTML5, CSS3等の最新の技術を活かして短時間で開発できるようになります。SAP Business Technology Platformには拡張用のSAPUI5テンプレートが数多く用意されています。テンプレートを用いて、従来の拡張方法では考えられなかったスピードで使いやすい拡張アプリを作ることができます。
今後SAPシステムの拡張はサイドバイサイド構成が当たり前になる時代がやってきます。
3) 強力な開発プラットフォームです。
業務改善の画期的なアイディアを思いつく人がSAPの顧客の中にたくさんいます。これらのアイデアの実現にあたり、SAPの標準ソフトウェアの組み合わせで完結できるシナリオもあれば、標準機能だけでは足りないものもたくさんあります。
これをビルドケースと呼びます。
新しいシナリオをSAP Business Technology Platform上で一から構築する開発環境(Web IDE)を用意しています。多くのビルドケースは単独のアプリケーションを作るだけではなく、高度な分析や外部との連携が求められます。そのために、SAP Business Technology Platformでは機械学習、高度分析、ビッグデータ、IoTなど数々のサービスを呼び出して即時に利用することができます。
そして、同じプラットフォームということは、基幹システムの情報を統合的に利用することもできます。アジャイルにクラウドでアプリを構築し、組織内で収集されたデータを最大限に活用することができます。
一つの例として、Shellでは紙中心の業務の刷新として、飛行機の燃料供給アプリを1からSAP Business Technology Platformで構築しました。
構築したアプリを基幹システムのSAP S/4HANAに接続して情報を統合的に管理しています。
4) 人とデータをつなぐための体験型プラットフォームです。
プロセスにインテリジェンスを取り入れると、システムとのやり取りは根本的に変化していきます。
人間が苦手とする繰り返し手入力などの作業を大幅に減らし、必要なときにだけシステムが人間とのやり取りを引き起こします。
例えば、正常運転では全く人間が関与せずにシステムが自動的に入庫出庫の処理をし、サプライチェーンに例外的な状況が起きた時だけ警告します。
そして、従業員の経験に全てを任せる仕組みではなく、インテリジェントプロセスなら、特定の状況で最良の行動を推奨してくれるシステムを作ります。それこそが一人ひとりの社員が積んできた経験を組織の規模で活かすことです。
顧客、エンドユーザー、または従業員がシステムとやりとりする方法が変わります。
機械学習、対話型ユーザインターフェイス、チャットボット、Fiori、iOS SDK、Android SDKはクラウドプラットフォーム上で直接使用できるサービスとして提供されています。これらのテクノロジーを活かして未来のソフトウェアはより人間に使いやすい形に変化して行きます。
一箇所で企業全体のデータ分析、計画と予測ができる分析アプリ、会話で操作できるERP、顧客のトレンドを予測してくれるCRM:そのようなユーザーエクスペリエンスを一緒に実現していきましょう。
5) スピードとスケールが混在できるプラットフォームです。
実験と製品化が混在できるプラットフォームです。Proof of Conceptを本番環境まで持っていける堅牢なプラットフォームです。
多くのITベンチャーはプロトタイプを素早く開発し、データサイエンスのアイデアをサンドボックス環境で実行できます。しかし、これらのプロジェクトのほとんどは、エンタープライズ規模に拡張する必要がある場合には失敗してしまいます。実際、企業全体の規模でデータサイエンスを導入する場合、膨大な量のデータを高速に処理できる堅牢なインフラストラクチャが必要不可欠です。これがSAP Business Technology Platformの特徴です: 新しい技術を本番環境まで持っていけるプラットフォームです。
SAP Business Technology Platformについてもっと知りたい!どこから始めればいいのか?
まず、SAP製品全般に関する無料オンライントレーニングのサイトがあります。
通常コースにかかる時間は、1週間で4〜6時間です。受講者が他の職務と組み合わせやすいようにできています。基本的には英語のコースですが、いくつか日本語のコンテンツもご用意されています。SAP Business Technology Platform関連のトレーニングはこちらです!
アプリケーション開発者、データアナリスト、そしてデータサイエンティストに特化したもう1つのコンテンツソースは、SAP Business Technology Platform のYouTubeチャンネル(SAP Hana Academy)です。
SAP Business Technology Platformの公式チュートリアルはこちらです。クラウドプラットフォームのサービスを色々使いながら覚えられる便利な形式です。SAP Business Technology Platformでプログラミングの第一歩としてはベストでしょう。
チュートリアルのみで質問の回答が見つからない場合は、help.sap.com で公式参考資料を見つけることができます。SAP Business Technology Platformに関する参考資料はこちらから検索してください。
本格的にSAP Business Technology Platformでプログラミングを始め、公式なクラスルームトレーニングを希望する場合は、training.sap.com をご参照ください。
SAPソフトウェアの全世界の公式トレーニングと認定試験が載っています。
日本国内のトレーニングと認定試験も含まれています。日本語のコンテンツをご覧いただくには画面の下部の言語設定で「Japan / Japanese 」を選択してください。
SAP Business Technology Platformでプログラミング方法を学ぶ第一歩は、5日間コースのCP100です。
このコースを通して学べる内容:
- SAPクラウド戦略を理解する。
- SAP Business Technology Platformのプログラミングを理解する。
- 統合サービスやAPI管理を含むさまざまなSAP Business Technology Platformサービスを使用する。
- IoTを探索する。
- SAPクラウドソリューションの拡張機能を理解する。
本コースに参加いただくことで、モバイルサービス、高度な分析ツール、最先端の認証メカニズム、ソーシャル機能などを活用した、革新的なアプリケーションを効率的に構築するための基礎を習得いただけます。
そして、CP100は開発者認定試験の準備コースとして位置づけられていますので、
SAP Business Technology Platform Development Associate Certification (C_CP_11)に必要な知識を習得できます。
[画面下部の言語設定でJapan / Japaneseを選んでください。]
日本でも、SAP Business Technology Platformを通してデジタル変革を成し遂げている企業が数多くあります。そんな中で、クラウド開発のスキルを持っているエンジニアはまだまだ不足しています。
C_CP_11認定取得者は、クラウド開発プロジェクトのメンバーとして参加するための専門的技術を有していることが証明され、クラウドアプリケーションプログラミングの世界への第一歩となります。