SAP HANA 2.0 SPS2登場
2016年11月に、SAP HANA 2 が登場してからおよそ8ヶ月が経過した2017年7月末に、SAP HANA 2 の最新リリース、SPS2 がリリースされました。
SAP HANA 2は、SAP HANAの全ての機能を踏襲しており、引き続きSAPのテクノロジーイノベーションをお届けしてまいります。
SAP HANA 2の主要なアップデートについては、過去の記事をご覧ください。
リリース計画の変更
SAP HANA 2リリース当初にご案内した、メンテナンスサイクルとリリースポリシーを今回から変更します。
- SPS(サポートパッケージスタック)のリリースを年1回
- SPSのメンテナンス期間: 2 年 (SPS02以降)
- SAP HANA2の最終SPS出荷後5 年間の長期メンテナンスサポート
SAP HANAについても、サポート期限を延長します。これにより、Business Suites powered by SAP HANAで利用いただいているお客様についても、SAP HANA2の新機能を必要としない場合には、継続してご利用いただく期間をさらに延長されました。
- SAP HANA 1.0のメンテナンス期限を2021年5月まで延長 (当初は2019年5月)
SPS2の新機能概要
SAP HANA2では、主に4つのカテゴリーに分類して、新機能を提供しています。主要な新機能を紹介します。主要な点は、HANA2で登場した各種機能の強化と機械学習機能の連携強化です。
データベース管理の進化
- Active/Active Read-Enabled
クラスターマネージャとの統合
ダイナミックティアリングとの連携 - ワークロード管理
セッションごとのダイナミックな管理と
メモリ/CPU利用上限の設定 - SAP HANA Cockpit
テナントデータベースレベルの制限機能
暗号化設定とユーザーグループ管理のシンプル化
Active/Active (Read-Enabled)は、SAP HANA 2の重要な機能拡張で、システムリプリケーション利用時にセカンダリシステムを読込専用としてアクセスを可能にする機能で、OLAP負荷の分散に利用できます。SPS2では、従来のシステムリプリケーション機能を拡張し、2層3層以上で利用できるようになりました。
データ管理の進化
- Enterprise Architecture
データムーブモデリングのシンプル化
Soltion Manager 7.2からのモデルのインポート
データアーキテクチャ内のnDSOのサポート - Smart Data Integration
データプロビジョニングアダプターの拡張
スクリプトの改善 - ダイナミックティアリング
2あるいは3階層のシステムリプリケーションに対応
エクステンデッドストアからの高速なメモリへの読込
ダイナミックティアリングは、メモリ領域だけではなく、ディスクストレージ領域も有効活用してデータストアとして活用できます。従来のシステムリプリケーション機能を拡張が2層3層以上で利用できるようになったことに伴い、ダイナミックティアリングでもサポートされました。
分析インテリジェンスの進化
- 新規PAL/ML アルゴリズム
TensorFlowとの統合とリアルタイムスコアリング機能の拡張 - テキスト解析
Web IDE for SAP HANA におけるあらゆるデータドメインにおけるサポートと語形変化用のカスタム辞書の自動生成 - グラフ / 地理空間情報処理
GraphScript の拡張とジオメトリックオブジェクトバリデーションの拡張
機械学習アルゴリズムとして、Googleがオープンソースで提供しているTensorFlowと連携が可能になりました。TensorFlowで学習させたモデルのスコアリングをSAP HANA上で行うことができます。
アプリケーション開発
- SQL 階層
新しい関数の追加 - 開発言語
Python driverの拡張と 開発言語Go 対応 - アプリケーション開発の柔軟性の向上と新しいSQLScript/SQL関数
SAP HANAでは、アプリケーション基盤としてCloud Foundryを採用しており、Build Pack を追加することでお好きな開発言語の利用をサポートしています。今回、デフォルトでGoogle GOもご利用いただけるようになりました。
SAP HANA, express edition
SPS2のリリースにともない、無償でご利用いただけるexpress editionも最新版にアップデートしました。SAP HANA, express editionはこちらからダウンロード可能です。