SAPPHIRE NOW 2017でのマイクロソフト発表 – 後編(SAPのクラウドサービスとの連携)
こんにちは。マイクロソフト家田です。
前編では、今年のSAPPHIREに合わせて発表した新しいインスタンスについてご紹介しました。
後編では、お客様やパートナー様がお持ちになるであろう「SAPがクラウドに力を入れる中、マイクロソフトは競合になるのでは?」という疑問にお答えする発表についてご紹介します。Azureの開発部門総責任者であるJason Zanderが発表したブログ(英語)はこちら。
- Large Instanceの提供リージョン拡大
- Large Instanceの提供メモリサイズをシングルノード最大20TB、スケールアウト最大60TBまで拡大
- 最大メモリサイズ3.5TBの仮想マシンMシリーズの提供
(ここまでを前編でご紹介しました)
- SAP HANA Enterprise CloudのインフラとしてAzureが選択可能に
- SAP Cloud Platformのデプロイ先としてAzureが選択可能に
- SAP Identity Authentication ServiceとAzure Active Directoryの統合
4. SAP HANA Enterprise CloudのインフラとしてAzureが選択可能に
SAP HANA Enterprise Cloudの基盤としてAzureを選択いただけるようになります。SAP社の提供するマネージドサービスを利用したい、SAP以外のワークロードはAzureで稼働している・したいと考えている、Azureのコンプライアンスやセキュリティ担保プログラムに魅力を感じていただいている、こういったお客様に、SAP社との協業により双方のメリットを提供します。サービスの詳細については改めてご案内します。
5. SAP Cloud Platformのデプロイ先としてAzureが選択可能に
SAP社のPaaSであるSAP Cloud PlatformのAzureでのデプロイのパブリックプレビューを開始しました。SCPで提供される、SAPの製品やサービスとの豊富な連携機能やLeonardとして提供される機能群を用いてビジネスアプリケーションを構築するに当たり、Azureサービスの広範なツールセットも合わせて活用することができるようになります。
6. SAP Identity Authentication ServiceとAzure Active Directoryの統合
SAP Cloud PlatformのID・認証管理サービスであるIdentity AuthenticationサービスとAzure Active Directoryが統合され、シングルサインオンが可能になりました。Azure ADに登録されたID利用してSCPで認証するシステム、SAP社の提供するWebベースのシステムやHANAの認証を統合できます。また、SaaSであるコンカーやサクセスファクターズとのシングルサインオンも可能になります。
Azure ADはオンプレミスのディレクトリとも同期でき、AzureやO365はもちろんSalesforceなどマイクロソフト以外のWebサービスとも連携するため、ID・認証管理の負荷を軽減することができます。
前編と合わせると大変長くなりました。マイクロソフトがSAPを利用されるお客様に提供しようとしている価値を少しでもお伝えできていれば幸いです。
マイクロソフトは、エンタープライズのお客様に長期的計画の際に役立てていただくべくAzureのロードマップをお客様に提供しています。先行でお知らせするために、時に期待にお応えしきれないこともありお叱りを受けることもありますが、こと今回の前編でお知らせしたインスタンス群については、Azureの開発部門総責任者が日本へ来て発表したからにはマイクロソフトとして決して引き下がれないところまで来たと考えています。
お読みいただきありがとうございました。