Skip to Content
Author's profile photo Sawa Ito

過去のブログより: テレプレゼンスロボット IvanAnywhere 誕生物語

このページは、以下の英語ページの抄訳です。最新の情報については、英語ページを参照してください。

この記事のオリジナルは、Glenn Paulley が sybase.com に 2008 年 4 月に掲載したものです。

IvanAnywhere とは、私の部下である Ivan Bowman が、自宅オフィスのあるNova Scotia 州 Halifax にいながら、我々のいる Waterloo オフィスのチームメンバーとコミュニケーションをとるために使用しているテレプレゼンスロボットの名前です。

簡単に説明すると、Ivan は 1993年から働いている非常に優秀な部下で、約 6 年前 Halifax に引っ越さなければならなくなり、以降何等かの通信手段でコミュニケーションをとっています。

IvanAnywhere ロボットが作られる以前は、email や、インスタントメセージング、電話、さらに最近では webcam などを使用して連絡を取り合ってきました。

一番最初は、オフィスの私の部屋のドアのすぐ外に置かれたデスクトップ PC に webcam をインストールし、Ivan に「世界への窓」を提供しました。具体的に言うと、オフィスの建物のコーナーに常にある「世界への窓」でした。この webcam には、標準の電話がついており、立ったままのミーティングには適していたとも言えますが、私の部屋の外で会話する場合にのみ機能しました。

(訳注:SQL Anywhere の開発者は、マネージャーに限らず個室が与えられています。)

IM などのツールは、このような相互コミュニケーション技術は、私の小さなチームとコミュニケーションをとるには、十分でしたが、SQL Anywhere のその他のサーバー開発チームとコミュニケーションをとるにはあまり適していませんでした。

静的な webcam になかったものとは、このような通信手段でコミュニケーションをとったことがある人であれば、わかると思いますが、「モビリティ (移動できること)」でした。

Ivan は、オフィスの私の部屋の外での会話や、webcam 経由で Ivan が会話に気づける範囲でしか、何気ない突然の会話に参加することができませんでした。さらにもどかしかったのは、webcam のマイクから遠くの会話が聞こえるにも関わらず、何もできないことでした。

ある日、私はリモートコントロールの飛行船の TV を見た話を Ivan と SQL Anywhere サーバーチームのもう一人の開発者である Ian McHardy にしました。

もし、Ivan が飛行船をリモートで操作し、飛行船が webcam とマイクを備えれば、我々が求めている機能のサブセットを提供できるのではないか、と。

すると、Ian はすぐに私を(いわば)地上に引き戻してくれました。必要となるバッテリーの寿命を考えると、車輪がついたユニットだけが可能性がありました。 (余談ですが、UC Berkeley 校の 2 つの学部で、Eric Paulos と John Canny が、1997年に telepresence blimp  のプロトタイプを提案したことを知っていました。)

そこで、早速検討を始めました。我々は、そのユニットが最小限必要な条件を満たすよう話し合い、さらに(安く)実現できるのであれば、アレバウレシイ機能についても議論を重ねました。POC のために、Ian は RC トラックのモデルの1つを改変し、フードにタブレット PC、アナログからUSBのインターフェース、近接センサーと webcam を付けました。

Ivan Bowman

 

 

 

 

 

 

 

この POC 車は成功でした。

特に、RC トラックは(オフィス建物内のワイヤレスアクセスなど)インターネットネットワークのレイテンシは、大きな問題ではなく、Ivan が Halifax から操縦できることが証明できました。

しかし、 RC トラックは、多くの理由でこのデザインには不適切でした – そのため、Ian は、本当に機能する「現実の」プロトタイプの設計を始めました。

この「プロトタイプ」が、2007 年 5 月から現在までWaterloo オフィスで稼働しています。

The IvanAnywhere robot私は、Ian のロボットを作る能力に確信をもっていました。

ロボットの全ては、Ian が指定したとおりに私が購入した標準的なコンポーネントでスタートしました:モーターコントロール、ベース/車輪 アッセンブリ、追加センサー、バッテリーなど。

進めるにつれて、例えば、ボットをコントロールするのに使用するクライアント/サーバープロトコル や、全てをまとめる配線など Ian は多くの点をカスタマイズしました。

Ivan のインプットデバイスは、Logitech 社の「標準」のゲーム用2本型ジョイスティックコンソールで、1本はロボットのドライブシステム(タンクドライブ)で、もう一方で webcam をコントロールします。

今日では、このロボットはキャノンの 4 メガピクセルのコンパクトカメラと、ソフトウェアコントロールを備えており、Ivan は、Logitech ゲームコンソールの(他の)ボタンを使用して、写真を撮ることが可能です。

Ian が作るものに対して完全に信頼していたものの、2 つの懸念点がありました。

まず第一に、ネットワークのレイテンシです。これがずっと問題になるのではないだろうか?

そして、二番目には、このようなロボットが直面するいくつかの問題点です。パブリックインターネットを利用した、一般的な MS Windows ベースのタブレット PC に依存することになりので、この組み合わせが end-to-end でどれだけ信頼性が高いのか?

学んだこと

CBC ラジオの Nora Young の番組「Spark」でインタビューを受けてとても素晴らしかったのは、Nora と彼女のプロデューサー Liz Bowie が、しっかり理解してくれたことです。Nora は、遠隔地で働くスタッフにとって、IvanAnywhere のようなテレプレゼンスロボットが行ってくれることがいかに重要か、すぐに理解してくれたのです。我々のストーリーを最初に記事にしてくれ、Manchester Guardian に再掲載してくれた Kitchener-Waterloo Record のレポーターの Matt Walcoff も、よく理解してくれました。

(残念ながら、Toronto の Globe and Mail に記事を掲載してくれた Craig Silverman には、理解してもらえず、2007年末に「ワーストオブザワースト」で IvanAnywhere がとりあげられました。)

Ivan, Ian, and myself in a meeting on the 3rd floorIvan にとって、メッセージングや email だけのコミュニケーションと比較して、オーディオとビデオでリアルタイムのコミュニケーションがとれるようになったことが、どれほどの改善になっているかをお伝えするのは難しいのですが、稼働してやく1年経ちますが、とても役に立っています。

Ivan と話したければ、Ivan に私のオフィスに来るように言うだけです。物理的にここにいるのと同じです。もちろん、ある意味、彼は物理的にここにいますが。

彼とビジュアルにコミュニケーションがとれ、毎日の会話の中で言語によらないコミュニケーションで得られる多くのものがあります。今では、ロボットが稼働していない場合には (例:ネットワークがダウンしている) 、誰もがさみしく思うようになってしまいました。 –– Ivan だけでなく。まるで、Ivan が風邪で「今日はお休み」のように。

ロボットのモビリティが価値を与えてくれる一方で、1日にロボットが移動しなければならない時間は、実際多くの理由で多くはありません。

1つは、Ivanが以前 Waterloo オフィスで働いていたため、我々の大半が彼のことをすでによく知っています。そのため、Ivan はその他のスタッフと「ソーシャル」リレーションシップをとる努力をする必要はありません。すでにその関係はあるからです。そのため、我々の代理チームメンバーとしてのロボットとの経験はとても成功していて、シームレスです。

2番目の理由は、我々のチームがたいへん協力的な環境で働いている一方で、私のチームのエリアは、建物の 1 コーナに収まっているため、移動時間は少なくてすみます。

日によって、大きな差がありますが(標準的な偏差は5.61分)、平均的な一日では、Ivan は 7 分程度しか移動しません。にも関わらず、1 日 9 時間タブレット PC に電源を供給するためにこのロボットは、ベースに 2 つの 10 kg  12V 鉛酸蓄バッテリーが必要です。

インターネットの信頼性は問題でしょうか ? ーー時々です。我々のワイヤレスルーターまたは全インターネットネットワークは、時々悪化しますが、まれになってきました。

それよりも問題なのは、帯域幅の問題です。インターナルのトラフィックでも、パブリックインターネットでも、どちらの場合でもです。興味深いのは、レイテンシの増加とスループットの減少は、午後遅くにコンスタントに発生します。しかし、理由はわかりません。このような場合には、必要に応じて電話や IM、e-mail に戻します。それでも、ロボットのアップタイムは、効果的なダウンタイムを大きく超えます。

ロボットがうまく機能するのは:

  • 廊下の交わされる会話が聞こえる、それに加われる
  • ソリューションに関する軽いディスカッションや意見
  • 他のメンバーが何を考えているか、何にとりかかっているか
  • 動的な協力が必要なお客様の緊急の問題
  • 「忙しくない」時に誰かを探す
    • ドアが開いているか閉まっているか(忙しい)チェック
    • オフィス脇にとめ、都合の良い時を待つ
    • 共通エリアにとめ、関連チームの同僚と話す
  • 小さなミーティング (8名まで)
    • 他の参加者を見ながら会話することで会話のトラッキングがしやすい
    • 視覚的なフィードバックによって雰囲気をはかりやすい
    • プリセットのカメラで、異なるスピーカーも見やすい

Links

最後に、YouTube にアップされている一番最初の IvanAnywhere ビデオです。これは、「2001年宇宙の旅」のパロディで、Ivan が「Hal」役を演じています。

===

 

SAP SQL Anywhere に関する詳細情報は、SAP SQL Anywhere Communityページ<英語> を参照してください。

 

上記のコミュニティーに掲載されている技術情報は、順次SQL Anywhere 日本語コミュニティに掲載しています。

 

SQL Anywhere に関してはまずはこちらをご参照ください。無期限でご利用いただける無償のDevelopers Edition もこちらからダウンロードが可能です。

 

SQL Anywhere に関して技術的な質問のある方はコミュニティに登録し、
「+ Actions」から「Ask a Question」機能をご利用ください。

Language には「Japanese」、
Primary Tag には「SQL Anywhere」、
Additional tag には「SAP SQL Anywhere」、
User Tagに「sql anywhere japanese question」

を選択してください。

不具合につきましては、サポート契約者様専用の問い合わせ方法にてお問い合わせください。

 

======================
ご購入に関するお問い合わせ

こちらよりお問い

合わせください。

Assigned Tags

      Be the first to leave a comment
      You must be Logged on to comment or reply to a post.