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今年もJSUGテクニカル部会を代表して、米国ラスベガスにて2016年9月19~23日の5日間にわたって開催されるSAP TechEdに参加しています。初日オープニングとして、ビヨンの基調講演がありましたので、簡単に内容を振り返ってみたいと思います。今年はSAP TechEdが20周年記念ということもあり、テーマが「Back to the digital future」と、映画Back to the futureをパロディに20年後の2036年からデロリアンに乗って登場するところから始まりました。

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SAP Executive Keynote: Björn Goerke,

Executive Vice President and Corporate Officer, Head of Technology in Products and Innovation

冒頭、20年前のR/3 3.xを振り返り、古いスタイルのSAP GUIでログインしてトランザクションコードSE11からABAPディクショナリのテーブル構造を見せるデモをした上で、ビジネスで生き残るためにはデジタルトランスフォーメーションが必要で、そのためにはSAP S/4HANAを活用する必要があると説きます。クラシカルデータベースで稼働するSAP ERPから新しいデジタルコアとなるSAP S/4HANAへの移行は、痛みを伴うことなくわずか3ステップで容易に実現できるとのことです。具体的には、SAP Solution Manager 7.2のメンテナンスプランナーで移行計画を立て、適切なソフトウェアをダウンロードし、Software Update Manager(SUM)によってSAP S/4HANA移行が完了できます。まさか、基調講演でSolMan、SUMの話が、またデモまでやるとは思いませんでした。

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SAP S/4HANAに移行後は、デジタルコアとして中核になり、様々なビジネスプロセスをSAP HANA Cloud Platformでつなぐことができるようになります。コアデータサービス(CDS View)によってデータモデルを定義し、メタデータの拡張やアノテーションの管理をSAP S/4HANAの中で行え、ODataサービスとしてパブリッシュすることで、すべてをAPIで提供できるからです。ここからは、SAP HCPによるOps, Dev, UX, Mobile, IoT, Integration, Analyticsの軸でシステム全体像が語られました。

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  • Ops: SAP HCP Cockpitから、ConnectiviyのCloud Connectorsでオンプレミスとクラウドを容易につなぐことができます。SAP HANA Cloud ConnectorでクラウドからオンプレミスのバックエンドシステムのABAP(S/4HANA)にセキュアなHTTPSで接続するマッピング情報を定義するデモを実施していました
  • Dev、UX: ブラウザベースの開発統合環境SAP Web IDEが利用できます。さらに、ニュースマートテンプレートアプリケーションを使えば、バックエンドシステムに対するSAP Fioriアプリケーションをコードを書かずに容易に開発ができます。バックエンドシステムからVegas周辺のGridでフィルターして80万行のデータを取得するアプリを作成し、クラウド⇒OData⇒CDS View⇒HANAをわずか5分で設定するというデモを実施していました
  • Mobile: SAP HCPで自動的にモバイルに最適化されたアプリケーションをデプロイできます。デプロイされたらSAP Fiori Launchpadに登録するだけで、ユーザーは利用できるようになります。また、ここでSAPとAppleの協業の話がありました。最上のユーザー体験をビジネスに!ということで、エンタープライズで必要なアプリケーション開発をAppleと一緒にやっていくことでSAP FiroiとApple UXの融合を図ります。そのためにiOS SDKの提供、アカデミーの提供をしていくようです。Development Clientで開発したアプリをSolMan 7.2を経由してProduction Clientへ移送もできます
  • IoT: SAP HCPはもちろんIoTにも対応しており、IoTアプリケーションも容易に開発できます。近々リリースのHCP IoTのThing ManagerでThing(ソーラーパネル)を定義し、地図情報(HANAにgeospatial dataはすべて格納)とマッピングして、ソーラーパワーシステムの残容量を把握したり、様々なリアルタイムシミュレーションのデモを実施していました
  • Integration: SAP HANA Cloud Integrationでシステム間をまたがったプロセス連携も容易に設定できます。SAP Hybris Cloud for Customer(C4C)と連携して、故障したソーラーパネルの場所にサービスマンを派遣するリクエストをあげるような仕組みも簡単にできるといったデモを実施していました。また、ここでこのイベントのために作成したモバイルアプリSAP Acceleormeterを使って参加者をまきこんで盛り上げていました。このアプリもモバイルに最適化されており、MQTTプロトコル、メッセージングサービスでHCP IoTと連携しているとのことです
  • Analytics: SAP BusinesObject Cloudでビジュアル化も容易に実現できます。このSAP Acceleormeterから上がってきたデータをリアルタイムチャートとして可視化するデモを実施していました

最後に、SAP HANA Experess Editionの発表がありました。32GBまでは無償で利用できるソフトウェアで、PCでも動くとして、Intel NUCを手に紹介していました。あとはSAP Cloud Appliance LibraryとしてAWS、Azure上でも提供されます。

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そして、SAP Acceleormeterでみんながスマホを振ることでエネルギーとなってデロリアンが復活して退場という形で締めくくられました。戻ってきて本当の締めの言葉を述べて、その後こちらもBack to the futureをパロってステージにバンドが登場しライブ演奏をしていましたが。。。

内容としては、正直予想通りで、まったく新しい発表はなかったです。SAP HANA Express Editionも事前に知っていましたし。ここ数年SAPが語り続けてきたことが着実に実現されてきているということをデモを交えて統合的に紹介したといった感じです。それにしても、ビヨンは全部自分でデモをするので、根っからのエンジニアですねー!それでは2日目からもSAP TechEdを楽しんでいきたいと思います。

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1 Comment

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  1. Hajime Kawata

    河原さん

    分かり易いレポート有難うございます。

    普及段階にあり、SAPが提供するものを生かす環境を作っていくことが鍵となりますね。

    (0) 

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