このページは、2013年7月に公開された以下の英語ページの抄訳です。最新の情報については、英語ページを参照してください。

http://scn.sap.com/community/sql-anywhere/blog/2013/07/26/is-oracle-really-the-first-multi-tenant-database-for-the-cloud

最近のOracle 12c のリリースは、その目玉となる機能、プラガブル(Pluggable)データベースに関して多くの議論を呼び起こしました。この機能が、2012年10月にアナウンスされた際には、「クラウド向けに設計された初のマルチテナントデータベース」として紹介されました。そしてそのすぐ後、アナリストグループの IDC は、その概要と反応についてレポートを公開しました。

www.oracle.com に掲載されたそのレポートでは、IDC のアナリストである Carl Olofson は以下のように述べています。

今回のアナウンスに対して、いくつかの議論がありますが… キーノートにおいて、Larry Elison はOracle Database 12c を「初のマルチテナントデータベース」であると紹介しました。 読者の皆様は、SAP がSAP Sybase SQL Anywhere クラウドエディションにおいて、マルチテナンシーの機能を 1年以上も前に発表していることにも留意ください。

(Olofson が参照した製品は、SAP SQL Anywhere, on-demand edition のことで、2011 年 10月にアナウンスされ、2012年 7月にリリースされています。)

Olofson は、続けて… データベースのコンテキストにおいて、マルチテナンシーの定義の基準がないため、この領域の議論は依然として続いています、と述べています。これに対して私も異論はありません。マルチテナンシーの用語は、多重定義されています。Oracle の主張の真相を調べるには、まず Oracle がこれをどう定義しているのか、そして、SQL Anywhere, on-demand edition の機能とどう似ているのかを理解することが必要です。

この記事を記憶される方は、Oracle Multitenant Datasheet で述べられている機能をベースにこの主張を調べることになるでしょう。このブログ記事の最初のドラフトでは、私はこのデータシートの全本文の「Oracle マルチテナント」を単純に全て「SQL Anywhere, on-demand」に置き換えて再現してみました。しかしながら、公正な使用に反することを懸念して、違うルートでいくことにしました(とはいえ、SQL Anywhere, on-demand edition に詳しい人間を呼び、Oracle データシートを読んでもらい、どう驚くか見てみたいものです)。

ここでは同じトピック領域で SQL Anywhere, on-demand edition の機能について述べ、Oracle 12c 機能との比較は読者の皆さんにお任せすることにします。

クラウドのための設計

SQL Anywhere, on-demand edition は、クラウド用に設計されたデータベースで、論理データベースサーバーは、オンデマンドで伸縮自在にスケールする複数のサーバーマシンにまたがって稼働することが可能です。独立した複数のテナントデータベースの各々は、ともにクラウドデータベースサーバーを作り上げる個々のサーバーに対してプラグインされます。アプリケーションは、特定のテナントデータベースに直接接続し、同じサーバー上の他のテナントデータベース全てに対して無関心です。これにより、セキュリティあるいは要求されるアプリケーション変更に妥協することなく、数多くの別々の SQL Anywhere データベースを一つのデータベースサーバー(またはサーバーのグループ)に統合できます。これは特に、ISV がSAAS のアプリケーションを作成する際に便利です。なぜならば、リソースを統合しながら、証明可能なデータセキュリティーモデルを使用することが可能になるからです。

効率的な統合

何年にもわたり、データベースの統合には仮想テクノロジーが使用されてきました。しかし、これはリソースの無駄遣いになります。なぜならば、OS とサーバープロセスが、それぞれのインスタンスで重複しているからです。SQL Anywhere, on-demand edition は、(メモリー管理やバックアッププロセスを含む) 一つのサーバープロセスを、それぞれのマシン上の複数のテナントデータベース間で共有します。独立したテナントデータベースのモデルであるため、テナントデータベース間のセキュリティーに妥協することなく、コンピューティングリソースを多いに活用することが可能です。

迅速なプロビジョニングとクローニング

SQL Anywhere, on-demand edition は、新しいサーバーと新しいデータベースの両方に対して、迅速なプロビジョニングを行う機能を提供しています。コンピューターのパワーがさらに必要な場合には、新しいマシンやサーバープロセスをデータベースサーバークラウドに数分で追加することが可能です。既存のライブのデータベースも、数秒のダウンタイムで新しいサーバーにマイグレーションすることが可能です。新しいテナントデータベースをプラグインするのも、お客様の既存のSQL Anywhere データベースを追加するのも同様にシンプルで、新しいブランクのデータベースを追加するか、あるいは既存のデータベースをクローンすることで実現可能です。既存のデータベースのクローンは、特に、追加テストの際に本番データベースのコピーが必要な場合に便利です。テストサーバー専用のクローンは、すぐに作成することができます。また、クラウドから一緒にアンプラグドして、スタンドアロンのSQL Anywhere サーバー上で稼働させることもできます。

迅速なアップグレードとパッチの適用

ソフトウェアのアップグレードとパッチは、バルクのオペレーションで同時に複数のサーバーにわたる複数のデータベースに適用することが可能です。このバルクオペレーションでは、きめ細かい制御も可能で、アップグレードをゆっくりロールアウトするために管理者が選択したデータベースにのみアップグレードすることも可能です。完全に新しいサーバーのバージョンにアップグレードする場合には、管理者は、単純にサーバーを最新のソフトウェアでスタートアップし、テナントデータベースを選択して新しいサーバーに移動させるだけです。

多くのデータベースを1つのものとして管理

SQL Anywhere, on-demand edition クラウドは、複数のマシンにまたがる、何千ものテナントデータベースを保有する可能性がありますが、システムは、1つのデータベースであるかのように管理することが可能です。すでに述べたバルクのオペレーションに加えて、バルクのバックアップや、リカバリーのような追加のオペレーションや、アドホックな SQL の実行により、管理者はこれまでにない管理パワーを得ることが可能です。バルクのオペレーションを通して、多くのデータベースに対して管理を実施することが可能ですが、同時に管理者は、データベースを個別に扱うパワーも持つことができます。例えば、データベースはバルクでバックアップするかもしれませんが、それぞれでリストアされるかもしれません。同様に、ある1つのサーバーのそれぞれのテナントデータベースに対して高可用性を設定するかもしれませんが、それぞれのデータベースは異なるミラーサーバーをターゲットにするかもしれません。このように詳細に適切にコントロールできることで、リソースを最大限に活用することが可能です。

クラウドへのプラグイン

既存の SQL Anywhere データベースを SQL Anywhere, on-demand edition クラウドにプラグインするのは簡単です。アップグレードのプロセスは必要ありません。データベースは、全く同一のものです。同様に、いつでもSQL Anywhere, on-demand edition からデータベースをアンプラグドし、SQL Anywhere のスタンドアロンサーバーとしてスタートすることが可能です。クラウド内の全ての管理は、クラウドコンソールツールを使用して管理することが可能です。また、データベースは通常のSQL Anywhere データベースなので、全ての既存のツール (SAP Sybase Central、アプリケーションプロファイリング、SQL Anywhere モニター)などが SQL Anywhere とSQL Anywhere, on-demand editionでは完全互換です。

Olofson が述べているように、データベースとクラウドのコンテキストにおけるマルチテナンシーの用語には多くの混乱があるにも関わらず、ここでのOracle の使用は、SQL Anywhere と同じです。このことから、Oracle の 12c が「クラウド要に設計された最初のマルチテナントデータベースである」という主張に対して議論があるという Olofson に対して同意せざるを得ません。

Oracle のマルチテナントクラウドデータベースにおける先行の噂は、たいへん誇張されているようです。

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SAP SQL Anywhere に関する詳細情報は、SAP SQL Anywhere SCN Communityページ <英語> を参照してください。

上記のコミュニティーに掲載されている技術情報は、順次SQL Anywhere Japan のブログに掲載しています。記事をリスト形式で表示するには、「sql_anywhere」のタグをクリックしてください。

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