「Announcing General Availability of SAP Landscape Virtualization Management (LVM) 2.1」 にある通り
日本時間の2月3日今朝方にSAP LVM 2.1が一般出荷となりました。
概要と新機能一覧は上述の記事をご参照ください。
日本国内でもランプアップ期間中から富士通・ネットアップ・SAPジャパン3社で共同評価を進めており、
先日1月28日に開催されたNetApp Innovation 2015でもセッションの中で実機デモを披露しました。
ここでは、上述の記事の補足としてスクリーンショット付きで新機能を紹介したいと思います。
SAP HANAのシステムプロビジョニング自動化
SAP LVM 2.1でついにスタンドアロンHANAデータベースおよびSuite/NetWeaver on HANAシステムの
システムプロビジョニング(クローン、コピー、リフレッシュ)に対応しました。
実際にシステムクローンを実施してみました。
スタンドアロンHANAデータベースですが、6分ほどでクローン処理が完了しています。
システムコピーについては/hana/shared配下のHANA LCM toolと連動してシステムプロビジョニングが行われるため、
スタンドアロンHANAデータベースの場合はSWPMの指定が不要です。
また、hdblcmの仕様上、ディレクトリ(ストレージボリュームのマウント先)も少し工夫が必要です。
具体的にはSID(/hana/data/<SID>、/hana/log/<SID>)の階層を直接マウントしないこと、
/usr/sap/<SID>をマウントポイントとして定義しないこと、/usr/sap/<SID>/homeはマウントしておくことになります。
その他のシステムプロビジョニング自動化における機能拡張
クローン処理を時間起動できるようになりました。
これにより、例えばERPとBWのように関連性のあるシステムを同時刻にクローン実行することで
ランドスケープ単位で整合性をとったままシステムプロビジョニングをすることができます。
ウィザードに沿って定義した入力項目をテンプレート化できるようになりました。
これにより繰り返しシステムプロビジョニングを実行する場合に手間が省けるようになっています。
診断エージェント(Solution Manager Diagnostics Agent)のプロビジョニングもできるようになりました。
SAP LVM環境ではAdaptive Enabled構成でインストールすることでSAPインスタンスのリロケートが可能となります。
同一サーバーに複数のSAPインスタンスが乗る場合もありますが、
診断エージェントは各サーバーに1インスタンスのみでよいOn-the-fly方式でインストール/構成します。
ランドスケープ管理の機能拡張
SAP HANAのシステムレプリケーション機能をSAP LVMからトリガーできるようになりました。
SAP Kernelパッチ適用を各SAPインスタンスに対し順番に実施していくことでダウンタイムを削減できる
RKS(Rolling Kernel Switch)とABAP PCAライセンスのインストールがSAP LVMからできるようになりました。
監視対象のシステムにSolution Managerを割り当てできるようになりました。
これによりSolManのITカレンダーと連動し、ワークモードに沿ったシステム運用を行えます。
操作メニューにストレージタブが追加され、ボリューム一覧とディスク使用量が確認できるようになりました。
この他にもSAP Host Agentの自動アップデートや、マスオペレーション時の初期状態を定義できるようになっていたり、
操作対象範囲(プール、システムなど)に対する権限設定が細かくできるようになっていたりと機能拡張が行われています。
SAPシステムランドスケープ運用のシンプル化と自動化を実現する管理ツールSAP LVMですが、
SAP社のグローバルIT部門自身が実際に使用していることもあるからか(以下の動画参照)
今後も様々な機能拡張が予定されており、SAP社が注力をしている製品のひとつであることが分かります。