SAP HANAはアプライアンスでの提供のため追加ソフトウェアの導入は原則禁止されています。
そのため、これまでBW on HANAやSuite on HANAを実装する場合には、
SAPアプリケーションサーバーは別途サーバーを立てて分散構成を取る必要がありました。
12月16日付けでSAP NetWeaver 7.4 ABAPベースの製品であれば
SAP HANA 1.0 SPS07 アプライアンス上に同居することができるようになっています。
具体的には以下のコンポーネントになります。もちろん本稼働環境でもサポートされます。
- SAP NetWeaver 7.4
- SAP ERP 6.0 EHP7
- SAP CRM 7.0 EHP3
- SAP SCM 7.0 EHP3
- SAP SRM 7.0 EHP3
また、セントラル構成(左)とシステムレプリケーションを使った可用性構成(右)のどちらも可能です。
SLESベースのHANAアプライアンスと他OSのアプリケーションサーバー混在による
分散構成を取らざるを得なかったため運用管理の標準化が難しかったですが、
今回の同一構成サポートによって大きく以下のメリットが出てくると思います。
- 簡素化されたセットアップ手順
- ハードウェアリソースの有効活用
- シンプルなランドスケープによる運用管理コストの削減
詳細は以下ノートを参照してください。導入手順書なども添付されています。
ここでは簡単にポイントだけまとめておきます。
- サイジングではHANAアプライアンスにSAPアプリケーションサーバー分の追加リソースを考慮
- SAP HANAデータベースSIDとSAPシステムSIDは異なる値を付与する
- 導入は認定コンサルタント(SAP Certified Technology Specialist (Edition 2013) - SAP HANA Installation)が行う
認定試験は以下から申し込みができますが、まだ日本語化はされておらず英語のみ提供のようです。
受験費用は20,500円で、ピアソンでの受験なので常時受け付けているようですね。
E_HANAINS131 - SAP Certified Technology Specialist (Edition 2013) - SAP HANA Installation | SAP Tra...
導入手順については、SAP HANAは1.0 SPS07からのhdblcmでのインストールで、
SAPアプリケーションサーバーはSoftware Provisioning Managerで従来通り行います。
ただし、sapinst実行前に以下の環境変数を設定しておく必要があるようです。
- HDB_COMPILEBRANCH=1
- HDB_IGNORE_HANA_PLATFORM=1
- HDB_INSTALLER_IGNORE=check_min_mem
- HDB_INTERNAL_INSTALLTION=1
インストール後の調整として物理メモリーリソース関連のパラメータ設定が重要となります。
SAP HANAのGLOBAL_ALLOCATION_LIMITとSAPアプリケーションサーバーのPHYZ_MEMSIZEを
適切な値に設定する必要があります。
システムレプリケーションを使った可用性構成も共有ファイルシステムの設定や
saphostctrlによる仮想ホスト/仮想IPインストール方法など詳細がSAPノート添付の手順書に記載があります。