SAPインストール後のABAP初期設定の自動化
SAP NetWeaver 7.4 ABAPシステムではインストール後の初期設定を自動化できます。
これまではちまちまSICK、RZ10、SMLG、SM36…とひとつひとつ確認・作業していましたが、
単一のトランザクションからいくつかのパラメーターを入力するだけで全自動で設定してくれます。
詳細は以下にまとまっています。
Automated Initial Setup of ABAP-Based Systems
- マニュアル作業で90分以上かかっていたものがなんと5分に
- ツール化されているので未経験者でも容易
- 標準化できるので人的ミスが減らせる
- 複数システムあっても、沢山のシステムをプロビジョニングしても工数がかからない
これはBASIS担当者にとってはとっても素晴らしい機能ですねー!
さぁ、さっそくSAP NetWeaver 7.4をインストールしてトランザクションコード STC01 を叩いてみましょう。
Task Manager for Technical Configurationという機能が呼び出されました。
Task List内に SAP_BASIS_SETUP_INITIAL_CONFIG を入力して実行します。
この画面に遷移します。Parameter列にアイコンがあるものは設定をカスタマイズできるものです。
- SICK(整合性チェック)
- RZ10(プロファイルパラメータのロード)
- SMLG/RZ12(ログオングループ)
- RZ04(操作モード)
- OSS1(OSS設定)
- STMS(移送ドメイン)
- RDDIMPDP(移送ディスパッチャのスケジュール)
- SM36(標準ジョブ登録)
- DB13(DBA計画カレンダージョブスケジュール)
- RZ70(管理SLD接続先)
- SLDAPICUST(SLDアクセスデータ)
- SGEN(ABAPロード生成)
- STRUST(トラストマネージャー)
- SMICM(ICM再起動)
- SECSTORE(セキュアストレージの確認)
と、かなりの初期設定項目が対象になっていますねー。
足りないのは言語インポートと言語補足、タイムゾーン変更、クライアントコピー、プリンタ設定くらいでしょうか。
実際にはSTMSはシングルルートシステムなので移送ルートは定義し直す必要があったりしますけど。
例えば、これはSLD Data Supplierの宛先を指定します。デフォルトは自ホストだったので修正し、保存します。
これら修正した値はバリアントとして保存しておくこともできます。
一通り値を設定したらMaintain Task List Runの画面から実行します。
移送ドメインを定義するときに聞かれる会社アドレス登録だけポップアップ画面が出てくるで追加作業がいります。
あとは決められた値に沿って裏で勝手に設定してくれます。
あれよあれよと言う間にほんとに5分くらいでステータスがすべて緑になります。
SGENはひとまず外しておいて追加で再実行するか、SGENもするならTask Listはジョブとして実行したほうがよいです。
SGENもチェックしておくとSGEN完了するまで数時間終わらないことになります…
実際のトランザクションでも内容を確認してみましたがきちんと設定されていました。
ちなみにタスクリストはインストール後の初期設定以外に全56種あるようです。
例えばこれはシステムコピー後の初期設定のためのタスクリストです。
新規インストールの初期設定と違ってクリーンアップ系のタスクがまず行われて設定し直す流れになっていますね。