NetApp InnovationはストレージベンダーのNetApp社による年に1度の大規模イベントですが、
午後のCトラックセッションがなんとまるまるSAPソリューションのコマとなっており
アイ・ティ・フロンティア様、クニエ様、リアルテック様から最新のSAPインフラについての講演がありました。
「アンリツ株式会社様 導入事例のご紹介と運用投資効果を高めるストレージの活用・導入方法」は、
BASISエンジニアなら絶対に押えておきたいポイントがふんだんに説明されていましたので、
また資料もSlideShareにてオープンに公開頂いていますのでポイントをご紹介したいと思います。
基本的には資料にすべて書いてありますが...
アンリツ様事例におけるポイントは、
- 課題は、
- SAPの保守切れ
- 国内外へのグループ展開を意識したIFRS対応・ユニコード化
- UNIXからの脱却によるベンダーロックインの排除
- また震災直後だったため事業計画の見直しといった多くのお客様が持たれるテーマ
- 解決策として、
- 上記アップグレード/ユニコード化をしつつWindows/SQL Server環境へのマイグレーション
- 災害対策まで意識した仮想化基盤への統合
- 同時にバックアップ運用やテストデータコピーの効率化などを可能とする柔軟な基盤を実現
- プロジェクト期間が2011/11~2012/5と約半年のスピード感で完遂。
このプロジェクトスピードの肝はクラウド(AWS)の活用によりハードウェアの調達に引きずられることなくキックオフの翌週にはプロト機が作れていたこと。これによりアプリ改修、テストの実施にすぐ取り掛かれた - インフラの特徴は、VMwareとNetAppストレージの採用
- NetAppのSnapManager(SMVI、SMSQL)によるバックアップ
- SnapMirrorによる災対サイトへのリモートコピー
- FlexCloneを活用して本番データを用いた迅速なシステムコピーにより3+1のランドスケープを実現
- 実装のベストプラクティスとして、
- VMwareのデータストアはNFS、データベースファイルはゲストOSから直接iSCSI接続
- バックアップ方式もSMVIは整合性を取ってくれないためSAP停止して静止点で週次で取得、データベースファイルはSMSQLで日時オンラインと用途・ドライブごとに選択
SAP環境での効果的なNetAppストレージの活用方法のポイントは、
- キャパシティ
- 重複排除はVMのOSイメージに効く(OSの仮想ディスクを格納するNFSデータストアに適用)
- 圧縮は基本的にはデータベースの機能を使用。圧縮機能のない古いデータベースの場合のみストレージ機能を検討
- バックアップ
- 論理障害に即座に対応できるストレージ瞬時コピー機能と世代管理の効率化を図るデータベースのバックアップ圧縮を組合せる
- バックアップ圧縮ではデータサイズ3TBがバックアップファイル350GBに。処理時間は1時間ほど
- 運用管理
- VAAI、VSC(Virtual Storage Console)によるシームレスな統合管理
- データコピーとデプロイ
- FlexCloneとTDMSをうまく組み合わせる
- 超大規模ユーザーはSAP LVMの検討も。LVMを使わなくてもSystem Renameという手も?
- 災害対策
- 災対のテスト実行まで行えるVMware SRMとNetApp SnapMirrorの組合せを検討
いかがでしょうか。特に後半は仮装基盤構築のベストプラクティス的なものですし、
普段自分が考えていることとほぼ同じだなーっと振り返るような感じで当日は拝聴させて頂きました。
NFSがー、iSCSIがー、FC-SANじゃないとー!クラウドはサポートがー!実績がーなんていう
古い体質のSEも特に国産ベンダーには未だに多いですが、
柔軟かつ拡張性の高いインフラ基盤を実現するためには仮想化とNetAppストレージの組合せは
もはや当たり前でとても有用なソリューションだと思います。ぜひクニエ様にご相談を(あ、弊社でも...