SAPシステムにはメッセージサーバーが稼働するサーバーのハードウェアキーにひもづいたライセンスキーが必要です。
インスタンスが特定のサーバーでしか動かないセントラル構成などで問題になることはありませんが、
クラスタ環境やAdaptive Computing環境などインスタンスがサーバーをまたがって移動するような場合には
ハードウェアキーが変更されてしまうため複数のライセンスキーの取得・管理が必要となり手間です。
Flexible License Mechanismがこの課題を解決します。
Flexible License Mechanismは、ID Generatorというハードウェアキーを生成するサーバーを外部に持つことで
インスタンスがどのサーバー上で動作してもハードウェアキーを固定することができる仕組みです。
導入の大まかな流れは以下となります。
- ID Generator サーバー上にSAP Host Agentをインストール
- 設定したいSAPシステムのプロファイル(CI/SCSを含むインスタンスプロファイル)にエントリー(slic/netid_servers)を追加
- SAPシステムを再起動
- ID Generatorから取得したハードウェアキーを認識していることを確認(dev_msファイルかsapcontrol -function GetNetworkIdコマンド)
- ID Generatorから取得したハードウェアキーに対応したライセンスキーの取得・登録
ID Generatorの実態はSAP Host Agentです。
ユニークなキーはID Generatorのハードウェアキー、メッセージサーバーのネットワークパラメーターで決定されるようです。
SAPインスタンスの起動時にアクセスするだけで必要なリソース量はごくわずかですが
本稼働環境ではSPOFになるため複数台の設置を推奨します。
プロファイルパラメーターslic/netid_servers = Server1IのP:port Server2のIP2:port と複数接続先を設定できます。