EhP情報ソース10 Business Suite 7 の新出荷方式 5つのタイプとEhPの位置付け
Business Suite 7、及びERP6.0のメインストリーム保守期限2020年末までの延長と、新たなBusiness Suite 7の方向性を2011年末に発表しました。それに伴い、今までのEnhancement Package(エンハンスメントパッケージ)による出荷方式に加えて、新たに4つの、計5タイプの出荷方式を採用する事を発表しています。この5つの出荷方式の特徴、目的と、今までのEnhancement Package方式の位置付けはどう変わるのかについてここでは紹介します。
-一言で言ってEnhancement Package方式が、今後も出荷方式の中心である事は変わりません。使用する機能だけを選択方式(スイッチフレームワーク)で使え、既存システムに影響を与えない、実証された有効な出荷方式であるためです。
では、5つの出荷方式の特徴と目的について見て行きます:
①Note、②SP
まず1つ目は、NoteとSP(サポートパッケージ)という出荷方式です。EhPのサイクルが1年半程度に1回なのに対し、新興国の法改正用Note、SP、HCMの法対応SPなどはもっと頻繁な出荷方式が要求されます。 また、ユーザーグループからのCustomer Connection (http://www.jsug.org/influence/) により要望が多かった機能追加は、EhPよりもっと早い頻繁な機能提供を求められています。 これらの開発後即時(Note)、四半期に1度(SP)の機能追加は、今後EhP以外にこの方法での機能提供もあります。また、EhPで実証された機能選択方式(スイッチフレームワーク方式)がSPでの機能提供に活用され、SPを当てると全ての機能が適用されるのではなく、必要な機能をSPの中から選択する方式になります。
③In Advance Shipment(IAS)
EhPの1年半程度に1度の出荷サイクルに先んじて、大きな固まりの機能(①②のNote、SPは比較的小規模な機能追加)を出荷する際に適用されます。特徴としては4半期毎の出荷サイクルで何らかの機能が出荷されますが、1年半毎に出る次のEhPに統合されるという点が特徴です。例としては、中国の法対応パッケージ、マスターデータガバナンスの機能、プロセス業界のレシピ管理の大幅機能改善、SRMのショッピングカート機能をERP上で使うパッケージなどが今のところ候補になっていますが、正式にはリリース情報をお待ち下さい。
④Enhancemet Package(EhP)
①~③の様な、EhPの約1年半の出荷サイクルの間に、多頻度で出される機能は、全て次に出るEhPに統合されます。また、新たな機能のEhPによる提供という方式は継続して行きます。従って、EhPが機能提供の中心である事は今後も変わりません。また①~④は全てBS7の2020年末までのメインストリーム保守期間に準じた保守方針です。
⑤Side by Side
BS7, ERPのBAPI、Enterprise Serviceなど、標準のインターフェースを使って、BS7、ERP6.0に外付けされる機能提供方式で、既にHANAアクセラレータでこの出荷方式が取られているので、言葉を聞かれた方も多いと思います。この方式による機能の提供は、不定期で決まったルールは無く、また2020年末のメインストリーム保守とは別の保守期間となります。
詳しい資料についてはJSUGホームページのこちらと、パートナーポータルで公開しています。
JSUGページ http://www.jsug.org/news/2012/03/000523.html
パートナーポータル https://websmp107.sap-ag.de/partnerportal/japan の「提案資料ライブラリ」→「Upgrade」→「Business Suite 7 新出荷方式」
SAP Global Upgrade Office 木下史朗